リハビリの評価を勉強してみる〜仮説・検証編〜

リハビリの評価を勉強してみる〜仮説・検証編〜

こんにちは、評価って改めて整理すると奥が深いな〜と感じている療法士活性化委員会委員長の大塚です。でもこれが仕事なんですよね。

理学療法士大塚久

もう理学療法士として経験も長くなってきたのですがなりたての頃から「評価ができていないね」「ちゃんと評価したの?」「その評価本当にあってる?」と言われ続けたので改めて評価について勉強してみたいと思います。

評価には大きく分けて

  • 情報収集
  • 検査・測定
  • 仮説・検証

の3つがあります。前回の記事では情報収集について書きました。今回は検査・測定について書いていきます。。

リハビリの評価を勉強してみる〜情報収集編〜 
リハビリの評価を勉強してみる〜仮説・検証編〜 <<<今回はここです!
リハビリの評価を勉強してみる〜まとめ〜 2019年11月8日公開

リハビリにおける評価とは?

一般の臨床医学で疾病の根本的な回復を目的に、疾病原因を究明する作業を診断と呼ぶ。これに対してリハビリテーションでは、心・身機能、日常生活の活動性、社会生活への参加を把握する作業を評価と呼ぶ。評価はこれらの障害の要因を分析し、解決手段を検討し、有効性を確認する作業をいう。

Wikipediaより引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/リハビリテーション

とあります。要は現状把握からアプローチの有効性の確認まで行う必要があります。

前々回は情報収集で主訴・HOPE・予後・リスク管理、前回は目的を持った検査・測定をお伝えしました。このポイントを基準にして仮説・検証を行なっていきます。

仮説・検証とは?

仮説:その対象者に合わせた評価を行い、その結果から原因問題点を抽出し改善方法の予測を立てる

検証:その予測に基づいてアプローチを行い効果判定し。予測が正しかったか間違っていたかを判定する。

さらに仮説・検証の結果を何故正しかったか?何故間違っていたか?を考察することによって臨床推論の力が養われていきます。

なんの問題点に対して仮説と検証をするか?

そもそもリハビリを必要としているは日常生活における何かしらの「動作」に問題があり、日常生活が制限されています。ですので「日常で制限されている動作」の分析を行うことが対象の方に合わせた評価になります。

原因を知る動作分析と問題点を知る動作分析を分ける

仮説を立てるには原因と問題点を抽出する必要があります。そしてこの2つは同時に行うことはかなり難しいです。この同時に行ってしまうのが動作分析を難しくしている原因です。そこで原因を見つける動作分析と問題点を抽出する動作分析の2つに分けて考えてみましょう。

原因を知るための動作分析

原因を知るには「いつも行っている動作」を行ってもらいます。みるポイントはどうやってその動作をおこなっているか?です。

例えば

  • 歩行:杖を使っているのか?フリーで歩いてるのか?それとも松葉杖か、シルバーカーなのか?
  • 寝返り、起き上がり:ベッド策を掴んでやるのか?下肢から寝返るのか頭部から寝返るのか?

といったどうやっておこなっているかを観察してください。

問題点を知るための動作分析

問題点を知るためには「基本動作」を行ってもらいます。基本動作は動作のパターンが決まっています。例えば寝返りなら頸部→肩甲帯→骨盤帯→下肢の順で背臥位から腹臥位までの動作が基本動作です。基本動作が上記の手順でゆっくりと勢いを使わずに自身で体の動きをコントロールしながらできるかどうかを観察してください。ポイントは手順通りスムーズに体の動きをコントロールして行えるかどうかです。

そしてスムーズにできない部位、動作が止まってしまうポイントや、コントロールできない(分節的に動かせない)ポイントが問題点として抽出されます。

そしてその抽出されたポイントがなぜスムーズに動かせないのかを検査・測定して評価していきましょう。>>>リハビリの評価を勉強してみる〜検査・測定編〜

そして僕が問題点を把握するために多用する基本動作が寝返りです。

なぜ寝返りの基本動作なのか?

寝返りには

頸部:屈曲・回旋・伸展とヘッドコントロール

肩甲骨:運動側:外転と運動方向への可動性、支持側:外転と肩甲骨と体幹間での動きのコントロール

上肢:肩関節の屈曲と伸展、肘関節の伸展

脊柱:椎間関節、肋椎関節の屈曲・伸展・回旋の分節的な可動性

骨盤・股関節:運動側:仙腸関節の外転、股関節の伸展・屈曲、内旋、内転、支持側:仙腸関節の外転、股関節の屈曲・伸展、骨盤-股関節間での回旋のコントロール

下肢:膝関節の屈曲・伸展、足関節の背屈・底屈

というほぼ全ての関節の運動と動きのコントロールが必要になります。運動発達から考えると腹臥位までの寝返りが可能になる生後6ヶ月では坐位保持ができるようになります。

寝返り動作

起立や歩行動作に目を向けると

起き上がり:ヘッドコントロール、支持側の肩甲骨のス支持性と運動性、肩関節の屈曲、肘関節の屈曲と伸展、椎間関節、肋椎関節の屈曲・回旋の分節節的な可動性、運動側:仙腸関節の外転、股関節の伸展・屈曲、内旋、内転、支持側:仙腸関節の外転、股関節の屈曲・伸展、骨盤-股関節間での回旋のコントロール

起立:頭部の屈曲、伸展のヘッドコントロール、肩甲骨の外転、脊柱:椎間関節、肋椎関節の分節的な屈曲・伸展の可動性、股関節の屈曲・伸展、骨盤-股関節間での動きのコントロール

歩行:ヘッドコントロール、肩甲骨の外転、脊柱:椎間関節、肋椎関節の回旋の分節的な可動性、股関節の屈曲・伸展、骨盤-股関節間での回旋のコントロール(方向転換)

など寝返り動作との共通点が多くあります。寝返り動作は支持基底面が一番大きく、安定しているため、寝返り動作でコントロールできない部位は起立や歩行時も問題点となることがあります。

立脚中期

仮説を立てる

寝返りの基本動作から問題点を抽出し、検査・測定によって問題点の部位が特定できたら仮説を立てます。

例えば屋外で杖をついて歩行時にふらつきがあり、転倒のリスクがある場合

寝返りの基本動作:肩甲帯、骨盤帯でスムーズな寝返りが困難

検査・測定:姿勢、整形外科的テスト、肩甲骨の可動性、周囲の筋の筋力テスト、脊柱の可動性、腹部筋群、多裂筋郡の筋力テスト、股関節の屈曲・伸展、回旋の可動性、腸腰筋、中殿筋、深層外旋6筋の筋力テストなど

評価結果:姿勢は円背傾向、小胸筋の短縮、肩甲骨の可動性の低下、股関節の伸展制限、大腰筋の短縮、中殿筋の筋力低下

仮説:小胸筋、大腰筋の短縮により肩甲骨の可動性の低下と骨盤の後傾と股関節伸展制限が見られそれにより歩行時の肩甲骨が可動することによるバランス維持と立脚期での骨盤後傾のため中殿筋が働かずふらつきが見られるのではないか?

のような仮説を立てます。仮説を立てるポイントは自分がアプローチできる部分で仮説を立案してみましょう。理由は自分がアプローチできる部位でないと検証ができないからです。

アプローチできる部分が少ない場合は患者さんのために自己研鑽しましょう。
>>>【触診が苦手な方限定】6日で学ぶ評価・アプローチのための触診セミナー

仮説の検証をしてみる

仮説が立案できたらその仮説を基にして治療的アプローチを行い、仮説を検証します。

先ほどの例ですと小胸筋のリリースと大腰筋のリリース、肩甲胸郭関節のモビライゼーション、股関節のモビライゼーションを行い、その後、アプローチ部位の検査測定、寝返り動作、歩行を再評価します。

再評価の結果歩行時のふらつきが減少していたら仮説があっていた、変化がなければ仮説が間違っていたとなり、それぞれ考察をしてきます。

原因を探してみる

考察をするためにはなぜそうなったのか?の原因を探すことが重要です。原因を知るためにはいつも行っている動作を観察することが必要です。先ほどの具体例では普段の歩行はを使用しています。もし杖の長さがその方の体格に対して短かった場合、短い杖をつくために姿勢は自然と円背になり肩甲骨は外転、下制位で小胸筋は短縮位に、脊柱は屈曲して骨盤は後傾位・股関節は屈曲位、大腰筋は短縮し、股関節の伸展が出ないので中殿筋は収縮しづらく筋力低下につながります。

そうすると具体例の場合の歩行時のふらつきの原因は杖の長さで、根本的なアプローチは杖の長さの調整になります。

これは考察ですが、ここも仮説になるので杖の長さを調節した後に次回来院時に歩行時のふらつきがどうなっているか再評価して検証し、考察が必要になります。

また考察は変化が出たらやらなくていいわけではありません。望ましい変化が出たとしてもより介入が少なくて済む方法はなかったか?より効率的な方法はなかったか?より能動的な方法はなかったか?を考える必要があります。

今回の場合であれば最初に杖の長さを調節してふらつきが減少していれば徒手的介入は必要ありませんし、大腰筋や小胸筋に対するアプローチを運動を用いて行うことでより能動的となります。常により効率的に、より早く、より能動的に考える必要があります。

まとめ

リハビリの評価、仮説・検証では

  1. 原因と問題点を分けて動作分析をする
  2. 仮説の立案では自分がアプローチできるポイントを立案する
  3. 検証結果が出たらよくても悪くても考察する

を意識して行ってみましょう。

次回はまとめです。これまでの記事の内容を踏まえてリハビリの流れをお伝えしていきます。
リハビリの評価を勉強してみる〜まとめ〜 2019年11月8日公開

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