こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
股関節って可動性が大きい上に体幹も支える必要がある結構役割が大きい関節なんです。
今回は股関節の機能について勉強していきたいと思います!!
股関節を構成する骨
股関節は大腿骨頭と寛骨臼で構成される多軸の球関節です。臼蓋は前額面からみると外側・下方、水平面から見ると前方を向いています。この形状により骨盤が前傾する際に股関節は内旋し、後傾する際に股関節は外旋します。
関節包は大腿骨頭と頸部のほとんどを円周状に覆っています。
股関節の靭帯
- 腸骨大腿靭帯:伸展・外旋を制限
- 恥骨大腿靭帯:伸展・外転を制限
- 坐骨大腿靭帯:伸展・内戦を制限
股関節の前捻角
水平面上で見ると大腿骨体部に対して頸部が約10°〜15°前捻しています。この前捻角によって股関節の内旋位、外旋位での適合性が変化し、安定性に関わってきます。前捻角はX線で検査をしますが臨床的にはクレイグテストを用いて評価を行います。
- 過度な前捻→股関節内旋位で安定
- 後捻→股関節外旋位で安定
股関節の前捻角を意識して坐位、立位での下肢の向き設定する必要があります。
骨盤大腿リズム
背臥位
- 股関節屈曲0°〜10°→骨盤前傾
- 股関節屈曲10°〜90° →骨盤1°後傾に伴い股関節6°屈曲
すると言われています。1)
また立位では0°〜10°の骨盤の前傾が背臥位に比べて少ないとも言われています。
このことから股関節運動には骨盤の前・後傾、いわゆる腰椎の動きも必要になります。
腰椎についてはこちら>>>脊柱の機能ついて勉強してみる〜腰椎編〜
股関節を安定化する筋肉
- 前方安定性:腸腰筋
- 後方安定性:深層外旋6筋
- 側方安定性:小殿筋、中殿筋
特に深層外旋6筋のうちの内閉鎖筋は大腿骨頭を臼蓋に押し付ける作用があり、さらに骨盤底筋と筋連結もあるため非常に重要となります。
股関節の動きが必要なADL
股関節は寝返り、坐位、起立、立位、歩行とほぼ全ての基本動作で動きが必要な関節です。この機能解剖が含まれるADLは起き上がり、更衣、トイレ動作、整容、食事、入浴などほぼ全てのADLで必要院なってきます。
特に正常歩行では20°〜30°の屈曲、昇段動作では45°〜65°の屈曲、起立では100°以上の屈曲、靴を履く、床のものをとるなどの動作では100°以上の屈曲が必要になります。
股関節周囲へのアプローチ
股関節のモビライゼーション
大腰筋のリリース
中殿筋のリリース
まとめ
股関節は
- 適合性が高く安定性に優れている
- 股関節の動きには骨盤、腰椎の動きが連動して起こる
- ほぼ全てのADLに必要になる
股関節の機能を理解してより効率的にリハビリを行っていきましょう。
股関節のROMexを効率的に行うには?
>>>【触診が苦手な方限定】ROMexを効率的に行うための触診・アプローチ法セミナー 【下肢編】
療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。
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参考文献・資料
1)小川 智美、関屋 昇 大腿挙上運動における股関節屈曲と骨盤後傾運動のリズム 理学療法学 29(4), 119-122, 2002 日本理学療法士学会
2)荒川 達也, 下井 俊典, 丸山 仁司 臨床経験年数の違いによるCraig test の検者間・検者内信頼性の検討 37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
3)NADZADI ME Kinematics, kinetics, and finite element analysis of commonplace maneuvers at risk for total hip dislocation J Biomech. 36, 577-591, 2003
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