第55回理学療法士国家試験 午前 第23問

第55回理学療法士国家試験 午前 第23問

毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!

問 インシデントレポート収集の目的で正しいのはどれか。

  1. 責任者を処罰する
  2. 監督官庁に報告する
  3. 医療事故発生防止策を検討する
  4. 施設管理者が解決策を検討する
  5. 当事者間でインシデントの原因を検討する

解答

3

解説

インシデントレポートの目的は「再発の防止」です。決して対象者を罰するわけではありません。医療は命関わることが多くあります。

そこでインシデントレポートを作成することにより、

ルールを定めてチェック機構を作り、それをシステム化することによって、ヒューマンエラーを減らしていきます。

インシデントレポートを書くときのポイント

  • 事実のみを正確に記載する
  • 推測や反省などは記載しない

この2つが大きなポイントです。

インシデントレポートは反省文でも無ければ始末書でもありません。推測や反省は必要ない情報です。

また再発予防のために情報共有することが非常に大切です。インシデントの内容を当事者だけでなく各スタッフとディスカッションすることにより、組織としての再発予防に努めていく必要があります。

なので解答は3になります。

 

これを臨床で活かすには?

ハインリッヒの法則というものがあります。1件の重大な事故の背景に29件の軽微な事故があり、そのまた背景に300件の異常(ヒヤリハット)が存在するというものです。今回はたまたま対象者に不利益にならなかったから報告しなくていいか、と考えてしまうとその一つひとつが重大事故に繋がる背景となります。未然に事故を防ぐためにも必ず報告するクセを付けましょう。

そしてこの「未然に防ぐ」という考え方はリハビリに当てはめると「予防」になります。フレイルやサルコペニアなど介護に繋がりやすいリスクに未然に対処できるよう僅かな変化も見逃さないようにしましょう。

リハコヤではリアルタイムで国家試験の解説をみんなで考えています。
悩める療法士のためのオンラインコミュニティリハコヤ
詳しくはこちら>>>リハコヤ

療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。
あなたも当たり前のことができるようになり「ありがとう」と言われる療法士になりませんか?

ありがとう
他の記事をもっと詳しく知りたい方へ
記事の目次ページへ      →

リハビリで悩む療法士のためのオンラインコミュニティ「リハコヤ」

リハコヤ