毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!
問
胸腰仙椎装具で正しいのはどれか。
1. 後方支柱は棘突起の直上に位置させる。
2. 骨盤帯の位置は大転子と腸骨稜の間である。
3. 側方支柱は骨盤帯と肩甲間バンドを結合する。
4. 胸椎バンドの位置は肩甲骨の下 1/3 の高さである。
5. 腹部前当ての上縁の位置は剣状突起の高さである。
解答
2
解説
骨盤から胸背部におよび、胸椎・腰椎・仙腸関節の動きを制限する装具です。
軟性,モールドジャケット
ジュエット型:胸骨部と恥骨上部に対して前方から、胸腰椎部に対して後方から力を加えて前屈を制限し、後屈を可能にしたもの。後方パッドにより後彎矯正を図る装具であり、後方パッドと胸骨パッド、恥骨パッドの 3点固定からなる装具である。
テーラ型:上部腰椎から胸椎部を支持する脊椎装具の代表的なもの。 後方に金属支柱があり、肩を固定する紐を付け、前面を軟性とした装具で、前屈と後屈 を制限する。
ナイトテーラ型:ナイト型装具の後方支柱を上方に伸ばし、肩を固定する紐をつけ、前面を軟性とした装具である。 前屈、後屈及び側屈を制限する。
スタインドラー型:体幹の輪郭に合わせて金属枠で作った硬性の装具で、胸椎装具の中で最も固定力がある。 前屈、後屈、側屈及び回旋を制限する。
などがあります。
問題文を見てみると
- 後方支柱は棘突起の直上に位置させる。
→ 棘突起を圧迫しないように両側に位置します。
- 骨盤帯の位置は大転子と腸骨稜の間である。
→ これは正解です。
- 側方支柱は骨盤帯と肩甲間バンドを結合する。
→ 腋窩と大転子をむすぶ線上にあり、胸椎バンドと骨盤帯を連結します。
- 胸椎バンドの位置は肩甲骨の下 1/3 の高さである。
→ 胸椎バンドは肩甲骨下角より2〜3cm下方に取り付けられます。
- 腹部前当ての上縁の位置は剣状突起の高さである。
→ 剣状突起の1横指下にします。
なので解答は2となります。
これを臨床で活かすには?
装具はその性質上、固定している部分の可動域を制限します。それは治療目的だったり変形の予防だったりします。装具を装着することのほうが可動域制限を作るよりもよりもメリットが大きい場合に適応となります。骨折などの固定のための装具の場合は動かすことは厳禁ですが。それ以外の場合は装具による可動域制限を最小限にできるように介入していきましょう。
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