こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
前回バランスを取るための立ち直り反応として体幹部の側屈/回旋の動きが必要だとお伝えしました。
>>>バランス評価に必要な脊柱の可動性について 〜体幹の評価〜
上部体幹は側屈/回旋の動きがイメージしやすいと思いますが、下部体幹、特に腰椎は屈曲/伸展の動きが主なので側屈/回旋の要素はあまりイメージできませんよね?下部体幹での側屈/回旋は実は股関節で行っています。
今回はバランスと取るために必要な股関節の評価についてお伝えします。
股関節がバランスを取るために必要な理由
姿勢制御の戦略の一つに股関節戦略(hip Strategy)があります。要は股関節の可動性と運動の制御がバランスを取るために必要です。
また股関節は体の重心に一番近い可動性の大きい関節なので股関節の可動性と運動を制御できる範囲がそのまま重心移動の大きさにも直結します。
股関節の評価
ADLは基本、坐位、または立位で行うことがほとんどです。なので坐位または立位で現状できていないADL動作を評価しましょう。
基本動作の評価
坐位
骨盤の前後傾(股関節の屈曲・内旋/伸展・外旋)
左右のリーチ動作
- リーチ側股関節の屈曲・外旋・外転
- 非リーチ側股関節の伸展・内旋・内転
立ち上がり動作
骨盤が前傾できるかどうか、離殿の直前に前傾を制御できるかを観察します。
立位
片脚立位
片脚立位をとった瞬間に股関節が屈曲方向、伸展方向、外転方向のどちらに移動したかを評価します。移動したがわの筋の制御ができていない可能性が考えられます。
局所の評価
局所の評価では股関節の
- 屈曲/伸展
- 内旋/外旋
- 内転/外転
のROMをPassive、Activeで評価します。
ここでポイントになるのができないADLがどの肢位でのものかを考えてみましょう。
例えば坐位で行うADLであれば
局所の評価も坐位と同じ股関節の角度である屈曲90 °からの
- 屈曲/伸展
- 内旋/外旋
- 内転/外転
をPassive、Activeで評価します。例えば背臥位などがその肢位になります。
ADLが立位であれ立位と同じ股関節の角度である中間位からの
- 屈曲/伸展
- 内旋/外旋
- 内転/外転
をPassive、Activeで評価します。例えば腹臥位などがその肢位になります。
局所の評価を行い、
- ActiveROM→主動作筋の筋力低下・筋不全or拮抗筋の伸長性の低下
- PassiveROM→拮抗筋の伸長製の低下or関節包内の問題
の問題点を抽出し、アプローチを行い検証を行います。
アプローチ
股関節のモビライゼーション
大腰筋のリリース
中殿筋のリリース
梨状筋のリリース
介入後に再評価してADL動作が変化を確認してみましょう。
介入後、局所の機能は変化したが、動作が変わらなかった場合
この場合は2つの要因が考えられます
- 問題点として上げた場所が問題となっている動作の問題ではなかった
- 機能は変化したがそもそもその動作自体を忘れていた
1,の場合は隣接関節の評価、または神経系の評価をして別の問題点を抽出しましょう。
2,の場合は動作を学習する必要があるので動作訓練を行いましょう。
それぞれ介入後、再評価しADLが変化しているかどうかを確認しましょう。
まとめ
バランスに必要な股関節の評価について
- バランスを取る上でhip Strategyは股関節の可動性が必要
- 屈曲/伸展、内旋/外旋、内転/外転をPassive、Activeで評価する
- 必要なADL動作と同じ肢位で局所の評価を行う
重要な姿勢戦略の一つに足関節戦略(ankle Strategy)があります。実際には股関節と強調して足関節も働くことで坐位、立位の姿勢を制御しています。次回は足関節の評価についてお伝えします。
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