毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!
問
6分間歩行テストで正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 自覚症状の変化を記録する。
2. 被験者の斜め前方に並んで歩く。
3. 6分間の総歩行距離で評価する。
4. 被験者に残りの時間を伝えることはできない。
5. 被験者が途中で立ち止まった場合にはテストを中止する。
解答
1、3
解説
6分間歩行テストとは
運動耐容能を評価するフィールド歩行テストのひとつであり,呼吸運動療法には必須の評価項目です。
肺および心臓血管系、全身循環、末梢循環、血液、神経筋ユニット、筋肉代謝など、運動中に関与するすべてのシステムのグローバルで統合された応答を評価できます。
主な目的
- 中等症〜重症の呼吸器疾患、心疾患患者への医療介入の効果判定
- 日常生活活動(ADL)の程度を測定
- 術前と術後のADLの評価
絶対禁忌
一ヶ月以内の不安定性狭心症、心筋梗塞
相対的禁忌
- 安定性狭心症
- 安静時心拍数120回/分以上
- 収縮期血圧180 mm Hg以上
- 拡張期血圧100 mmHg以上
中止基準
- 胸部痛
- 呼吸困難
- 下肢の痙攣
- ふらつき
- 異常な発汗
- チアノーゼの出現
方法
- 30mの平坦な直線をできるだけ速く歩き、6分間での歩行距離(在宅酸素療法に使用する場合にはSpO2も)を測定する。
- 適切な声かけにより、一定負荷となるよう心がける。
- 歩行前後でBorg scaleを用いて疲労度を評価する。
- 休憩が必要な時は壁にもたれ掛かって休む。中断した場合にはその理由、時間、距離を記載する。
評価
6分間の総歩行距離
以上のことから回答は1,3になります。
これを臨床で活かすには?
6分間歩行試験は30mの直線が必要ですが、評価自体に特別な器具が必要ではなく、簡便に測定できる評価になります。ただし、6分間の歩行になるので運動耐用能によってはリスクも高くなるため、顔色、チアノーゼ、息切れ、ふらつきなどの症状に注意しましょう。
検査結果からみると
CPOD患者では介入前後で70m以上の距離の延長が、慢性心不全の患者では介入前後で45m以上の距離の延長で優位に治療効果があったといえるとされています。
一般的に200m以下の場合、外出不可。400m以上で歩行自立、外出可とされています。
歩行は日常生活のなかで必要不可欠な移動手段の一つです。歩行距離いかんによって生活範囲が決まって来るため、適切な評価の元、効率的に方向ができるように身体機能の評価を行っていきましょう。
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