毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
研修会で「〇〇の疾患に対するアプローチ方法を教えて下さい」「このアプローチはどんな疾患に適応になりますか?」と言った質問をいただきます。実はこの考え方ではリハビリはうまくいきません。
答えを求めるのがリハビリじゃない
先ほどの「〇〇の疾患に対するアプローチ方法」は数式で例えるなら
4+6=□
を求める考え方です。
この考え方ですと答えは10にしかなりません。この考えだと4が疾患、6が身体機能だとしたら
脳卒中+ADL全介助→施設入所が妥当
といった考え方になってしまいます。もし対象者とご家族が自宅復帰を望まれていた場合どうしましょう?
リハビリの考え方は目的が先でそのために何が必要かを考えること
リハビリの考え方は
□+○=10
の□と○をどう埋めるか?を評価して考えるのが基本です。
例えば
1(脳卒中の急性期)+1(ADL全介助)→10(自宅退院)
と考えると現状足りない8をどうするかを考えます。
疾患の回復過程でどこまで回復するか?
身体機能のリハビリでどこまで回復するか?
を考え、自宅退院という目的のために必要な介入を行っていきます。
これが3ヶ月後
3(脳卒中の回復期)+3(ADL一部介助)→10(自宅退院)
となった場合、足りない4はどうするか?何も機能回復と能力の向上だけがリハビリではありません。
3(脳卒中の回復期)+3(ADL一部介助)+4(環境設定、介護保険利用)→10(自宅退院)
と言った形で新たに項目を追加して10にすることで自宅退院という目的が達成されます。
まとめ
新人療法士が陥りがちな考え方について
- 疾患に対する介入法を考えてしまいがち
- 大事なのは疾患の改善ではなく目的の達成
- 機能的に変化が見られなければ環境設定もできる
答えが欲しくなる気持ちもすごくわかりますが、大事なのは答えを出すことではなく、対象者の目的が達成されることです。つい忘れがちになってしまう目的は何なのかを常に意識してみましょう。
オンラインコミュニティ『リハコヤ』では、毎週2回こう言った内容をライブ配信しています。興味がある方はぜひお越しください。
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