動作分析について

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

 

本日は動作分析についてお話ししていきます。

 

 

動作とは?

 

動作とは、身体を動かして目的を達成するための行動のことです。日常生活で行われる様々な動作は関節、筋肉、神経、脳など複数の機能が相互に協調して実行されます。

 

私たち療法士が動作分析するものは寝返りや立ち上がりや歩行なので、どうしても動作そのものに目が行きがちです。しかし、それらの動作をするためには、その動作の先に何かしらの目的があります。

例えば、「トイレに行きたい」「隣の家に行きたい」「学校・職場に行きたい」など歩く目的がありますよね。目的がなければ人は動きません。

 

リハ室でやる動作分析は、ただの「動き」でしかありません。歩いてくださいと言われたから歩いた、というだけなので、その動作はその人の本当の動作ではありません。そのことを理解した上で動作をみていきましょう。

 

私たちが行うリハビリは、日常生活がその人にとって望む形・最適な形で送れるようにするというのが目的になりますので、リハ室での動作だけでなく、その人が日常でどのように動作をしているのかを見る必要があります。

 

ということは、入院している人であれば病棟、外来で来る人なら自宅や外の道路など、本当はその生活の場面で動作を見なければいけないのです。

訪問リハビリなら訪問した際に自宅を、病棟であれば病室を見にいけばいいだけの話ですが、療法士が見に行くと療法士に見られているという環境因子がプラスされてしまうので、できれば病棟での動作は看護師さんや介護士さんに聞いてみるといいと思います。

 

病棟や自宅や外の道路では、床は平らではなく、手すりもなく、温度も異なり、他の人が居て…というように、病院と異なり環境が整っていません。そのような環境での動作を習得してもらわなければいけないので、そういうことを念頭に入れた上で動作を見るようにしましょう。

 

動きを見るときには、どの患者さん・利用者さんのどんな動作であれ、関節・筋肉・神経・脳の4つを見なければいけません。

 

 

動作のプロセスとは?

 

動作のプロセスには5段階あります。

 

1.意図の形成

何かしら「やりたい」と思うことです。その意図が形成されないと動き始めません。

 

2.情報処理

意図を形成したら現在ある情報を整理します。

 

3.運動計画

情報を整理し、動こうとしたとき、いきなり動き出すのではなく、本当は脳の中でどういう動きをするのか一瞬のうちに計画を立てています。

 

4.運動

計画を立てたら、運動をします。このときに初めて筋骨格の話が出てきます。

 

5.結果のフィードバック

運動を行なったら、結果が出ます。得られた結果をフィードバックして、次に動くときにはどうすればいいかというのを考えなければなりません。それがいい結果であればそれを学習していく、というのが「運動学習」です。

 

動作がうまくいかないこと(反張膝になる、股関節の伸展が出ないなど)というのは、動作のプロセス1〜5のうちのどこかで問題を起こしています。それがどこなのかを評価し、介入をしなければいけません。

動作を見てわかるのは「できているか」「できていないか」だけです。できているのであればどうできているのか、できていないのであればできていない原因を個別に評価し、その上で分析をしていきます。

動作を見ながら分析はできないと思ってください。

 

 

次回はこの動作のプロセスをひとつひとつ解説したいと思います。

 

 

まとめ

 

動作分析について

1. 動作には目的があり、日常生活で行われる様々な動作は関節、筋肉、神経、脳など複数の機能が相互に協調して行われる。

2. リハビリで行う動作はただの「動き」でしかなく、利用者さん・患者さんが日常で行う動作は病院と異なる環境であることを念頭に入れた上で動作を見る必要がある。

3.動作のプロセスには5段階ある。動作を見てわかるのは、できているか・できていないかだけであり、できていない部分の原因を個別に評価し、その上で分析をしていく。

 

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