こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
パーキンソン病について、病気の原因と分類、症状とお伝えしてきました。今回は具体的な問題となって生命のリスクも伴う嚥下についてお伝えしていきます。
パーキンソン病で見られる嚥下障害のリスク
大きく分けて
- 誤嚥性肺炎:誤嚥による肺炎で生命に関わる
- エネルギー不足:摂取できるエネルギーが減少するので体を維持できない
の2つが挙げられます。
その原因として考えられるのが運動症状と環境設定です。
運動症状について
嚥下自体も筋収縮で行います、また誤嚥した際の咳嗽反射も筋収縮で行います。そのため、筋収縮がうまく調整できないパーキンソン病の方は嚥下が困難となります。
嚥下が困難になっている影響がパーキンソン病によるものか、二次的な廃用症候群、環境因子によるものかを分ける必要があります。そのために必要なのが機能的なアプローチと環境設定です。
嚥下に必要な機能
嚥下を行う大前提として呼吸ができていることが必要です。まず呼吸状態を評価しましょう。
見るポイントは
- 呼吸数:回数、呼吸する際に呼吸補助筋を利用していないかどうか?(肩で呼吸をしていないか?)
- 大きな声を一気に出す:誤嚥したときに吐き出せるかどうか?
必要な機能として
- 胸郭の可動性
- 胸椎の可動性
- 肩甲骨の可動性
- 横隔膜の硬さ
- 呼吸補助筋の筋緊張
を評価しましょう。
嚥下の評価
嚥下ができる大前提としてまず坐位が安定していることが条件となります。
なので
- 腰椎
- 仙腸関節
- 股関節
- 足部
の評価をしましょう。
その上で
- 認知:食事を食事として認知できているか?
- 口腔内圧:頬を膨らませられるか?嚥下の際に口腔内を陽圧にできるかどうか。
を評価しましょう。
環境設定
機能を確認したら次に環境を設定しましょう。今回は環境設定の一つとしてシーティングの基本的な部分をお伝えします。
シーティングの基本は
- 安定することが第一の目的
- 支持基底面と重心線の関係を考える
の2つです。
この2つから考えるといわゆるいい坐位と考えられている骨盤が前傾位でのシーティングは支持基底面が坐骨のみとなるので不安定となります。この姿勢でシーティングをすると前方に倒れやすくなるため、背部の緊張が過剰になり、突っ張る姿勢となります。
坐位を安定させるには仙骨・坐骨で支持基底面を作りその中に重心が入るようにシーティングしていきましょう。
機能面と環境面を整えて残るのがパーキンソン病の症状
機能面と環境面を整えても嚥下に問題が出る場合はパーキンソン病自体の問題です。特にoff状態のときは何をしても動きは出ません、むしろ誤嚥性肺炎のリスクが高まるのでoffのときは時間を変えるようにしましょう。
まとめ
パーキンソン病について勉強してみた 〜嚥下・シーティング編〜
- 誤嚥性肺炎、エネルギー不足のリスクが有る
- 嚥下ができるには前提として呼吸ができることが大事
- 機能・環境を調整したら疾患自体の問題Offのときは食事を避ける
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