変形性膝関節症について勉強してみた 〜構造編〜

変形性膝関節症について勉強してみた 〜構造編〜

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

前回の記事で人の体が動くためには大きく3つの要素から成り立っているとお伝えしまいた。

前回は変形性膝関節症の総論とガイドラインの紹介をしました。今回はその中で大事になってくる膝関節の構造についてお伝えします。

 

膝関節の構成要素

構成要素は大きく分けて

  1. 関節
  2. 滑膜組織
  3. 結合組織
  4. 筋組織

に分けて考えてみます。
*厳密に言えば筋組織も滑膜組織も結合組織ですが、今回はあえてわけてみました。

膝関節の構造

関節

  • 膝蓋大腿関節:力の伝達
  • 脛骨大腿関節:膝関節の屈曲伸展

膝蓋大腿関節と脛骨大腿関節を比べると膝蓋大腿関節に障害がある人が多く、両方あった場合でも膝蓋大腿関節の障害のほうが重度という報告があります。

Rana S Hinman  1 , Jonathan Lentzos, Bill Vicenzino, Kay M Crossley Is patellofemoral osteoarthritis common in middle-aged people with chronic patellofemoral pain? Arthritis Care Res (Hoboken). 2014 Aug;66(8):1252-7.

滑膜組織

  • 膝蓋上嚢:膝蓋骨の滑走性補助。不全を起こすことで屈曲に制限が出やすい。
  • 膝蓋下脂肪体:衝撃の吸収。不全を起こすことで伸展に制限が出やすい。浅層と深層で役割が異なる。

特に関節の不動により膝蓋下脂肪体に変性を起こし、毛細血管が増殖し、組織の線維化が起こることにより疼痛が引き起こされます。膝蓋下脂肪体の状態を評価しましょう。

筋組織

  • 大腿四頭筋:伸展
  • 半腱・半膜様筋:屈曲・内旋、伸展
  • 大腿二頭筋:屈曲・外旋、伸展
  • 膝窩筋:屈曲・内旋
  • 腓腹筋:屈曲、伸展
  • 縫工筋:屈曲・内旋
  • 薄筋:屈曲・内旋
  • 大腿筋膜張筋:屈曲、外旋

作用は膝関節に限ったものです。

特に

  • 半腱・半膜様筋と大腿二頭筋の筋間
  • 半腱・半膜様筋と腓腹筋内側頭の筋間

の滑走性の低下を起こしやすく、スムーズな膝関節の屈曲伸展を阻害するので痛みなどの症状が出やすくなります。

これらを評価するには?

  • 評価として
  • ADL動作
  • 起立・着座動作
  • 片脚立位
  • ROM
  • 痛み

を評価していきます。詳しくは次回のコラムでお伝えしていきます。

 

まとめ

変形性膝関節症について勉強してみた 〜構造編〜

  1. 関節、滑膜組織、結合組織、筋組織で分けて考える
  2. 膝蓋下脂肪体は不動により変性を起こし痛みを引き起こす原因となる
  3. 筋の滑走性の低下により膝関節のスムーズな動きを阻害する

>>>変形性膝関節症に対する評価とアプローチ

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