こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
本日は体幹の評価についてお話ししていきます。
体幹とは?
体幹とは、解剖学的には頭部・手・足を除いた胴体部分のことを言います。
体幹の評価が難しいと感じる理由は、体幹の範囲が広すぎるからです。
「体幹が強い/弱い」とよく言われますが、これは“体幹”をひとまとめにしているから難しく感じるのです。体幹のどこがどのように強い/弱いのかを明確にしていくとわかりやすくなります。
では、どのようにしていけばいいのでしょうか。
そもそも体幹は大きく分けて3つに分けられます。
・胸郭
・脊柱
・骨盤
さらに胸郭は肋骨・胸骨の2つ(ここでは脊柱は除く)、脊柱は頚椎・胸椎・腰椎の3つ、骨盤は仙骨・寛骨・股関節の3つに分かれます。
まずはこのどの部分が強い/弱いのかを明確にしないといけません。
これが強い/弱いとはどういうことでしょうか?
強いか弱いかを表せるものは筋力ですよね。
それぞれの部位を制御している筋肉は何かを考えていかなければなりません。
例えば、体幹で安定性が低下しやすいところと言えば腰椎です。
この腰椎を制御している筋肉は何があるかと言うと、大腰筋、多裂筋などが挙げられます。これらの筋の筋力を見ていけばいいのです。
なので、「体幹が弱い」「体幹が効いていない」と言われたら、まず体幹のどの部分が弱いのかあたりをつけて、その部分の筋力を見れば良いでしょう。
安定性を決める要素とは?
「体幹が強い」=「安定している」ということだと思います。
安定するためには何が必要なのでしょうか?
大きく分けて3つあります。
1.関節構造・関節包・靭帯(受動的なもの)
関節構造:肩関節には関節窩が小さく骨頭が大きいという関節構造として不安定な関節、反対に股関節は骨頭が関節窩に入っている安定した関節。
関節包:肩関節には肩甲上腕関節の下の関節包にゆるみがあるため大きく動かせる。反対に股関節のように関節にゆるみがないと肩関節と可動域が異なる。
靭帯:関節が正常を逸脱した動きをした時に制限してくれるもの。
関節構造・関節包・靭帯が受動的なシステムとして関節を安定させています。
2.筋(自動的なもの)
関節が正常を逸脱した動きをした時に関節包・靭帯と同様に筋も緊張を上げて制限するため、筋の働きによっても関節は安定する。関節を安定させる筋は深層筋(ローカルマッスル)である。
3.神経系
関節にも筋にも問題がなくとも、神経系に問題があると関節は安定しません。(例:小脳失調)
この3つが統合してバランスよく働くことで身体は安定します。
体幹の評価は?
この安定性をみるためには何を評価したらいいのでしょうか?
1.関節構造・関節包・靭帯に対しては関節可動域をみていきます。このとき、end feelを意識しながら評価しましょう。
2.筋に対してはMMTをみていきます。まずはブレイクテストからみていきましょう。
3.神経系に対しては動作観察をします。関節可動域も筋力もあるのに上手く動いていないところに着目していきます。グラグラ・フラフラとしているところ(不安定)だけでなく、固めているところ(固定)もみていきましょう。安定していないために固めざるを得ないのかもしれません。
不安定なところがあるときや固めているところがあるときに神経系に問題があるのではないかと仮説が立ちます。関節可動域に制限があった関節、筋力に制限があった筋に介入をして動作練習をしていきましょう。
まとめ
体幹の評価について
- 体幹は胸郭(肋骨・胸骨)、脊柱(頚椎・胸椎・腰椎)、骨盤(仙骨・寛骨・股関節)に分かれるので、これらを分けて評価する。
- それぞれの部位を制御している筋肉は何かを考える。
- 関節構造・関節包・靭帯、筋、神経系が統合しバランスよく働くことで身体は安定するので、安定性をみるためには関節可動域と筋力を評価し動作観察をする。
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