毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は手関節の機能解剖についてお伝えします。
上肢の各部位の基本的な役割とは?
上肢の各部位にはそれぞれ役割があります。
肩関節は方向を決め、肘関節は距離を決めます。前腕は対象に向きを合わせる役割をしており、手関節は手指の位置の微調整を行い、手指は対象の操作をおこなっています。
手関節は背屈30°のところで最も筋力が発揮されると言われています。つまり、手関節がコントロールできることは、生活上重要であることがわかります。
手関節・手部の運動とは?
手関節はダーツスローモーションと言って、ダーツを投げるときのような動きをします。日常的な手関節の動きの多くは、純粋な背屈・掌屈というのはあまりなく、背屈をするときには橈屈を、掌屈をするときには尺屈を伴います。
手関節は橈骨手根関節と手根中央関節から成ります。
掌屈するときには手根中央関節が35°橈骨手根関節が50°、背屈するときには手根中央関節が50°橈骨手根関節が35°動きます。手関節が動くには、手根中央関節と橈骨手根関節の両方が動く必要があることがわかります。
橈尺屈での動きをみていきましょう。
尺屈のときには最終域に近づくとともに、手根骨遠位列のみが動くようになり、橈屈のときには手根骨は全体として回転を開始し、近位手根列が遠位・外側に動きます。
手根部をみていく上で重要な骨とは?
手根骨は様々な靭帯によって構成され、それにより剛性を高めています。靭帯が丁度良いテンションで動くためには、手根骨がそれぞれ動くことが大切です。
手根骨の動きを見ていく上でポイントとなる骨が月状骨と舟状骨です。
月状骨は、有頭骨とともに内側柱石を形成します。月状骨は有頭骨に覆いかぶさるような形状をしています。
また、舟状骨、大菱形骨、小菱形骨は外側柱石を形成しており、舟状骨は腎臓のような形状をしています。
この月状骨と舟状骨の特殊な形状により、靭帯の張力を保ったまま手関節を動かすことが可能になります。
つまり、手根部をみていく上では月状骨と舟状骨の可動性が重要になります。
月状骨と舟状骨の触診の方法は?
舟状骨の触診の方法は、橈骨茎状突起を末梢に辿ると凹みがあるので、その凹みに触れた状態で手関節を尺屈すると出てくるのが舟状骨です。
月状骨の触診の方法は、第3中手骨を近位に辿っていくと凹みがあるので、その凹みに触れた状態で手関節を掌屈すると出てくるのが月状骨です。
この二つの骨に触れることができたら、両方の骨を動かして動きを確認してみてください。そのほかにも、有頭骨と月状骨、大菱形骨と小菱形骨と舟状骨の動きを確認してみたりしてみましょう。
手根骨の触診をするには、手根部の骨の配列を再度復習してみましょう。
まとめ
手関節の機能解剖について
1. 手関節の役割は手指の位置の微調整である。手関節は背屈30°のところで最も筋力が発揮されると言われているため、手関節がコントロールできることは生活上重要である。
2. 手関節は橈骨手根関節と手根中央関節から成り、日常的な手関節の動きの多くは、背屈をするときには橈屈、掌屈をするときには尺屈を伴う。
3. 手根骨の動きを見ていく上でポイントとなる骨が月状骨と舟状骨である。
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