中心性脊髄損傷のリハビリテーション:初学者のための実践的アプローチ〜評価〜

中心性脊髄損傷のリハビリテーション:初学者のための実践的アプローチ〜評価〜

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

 

本日も中心性脊髄損傷についてお話していきたいと思います。

 

前回の記事はこちら↓

中心性脊髄損傷のリハビリテーション:初学者のための実践的アプローチ〜概要〜

中心性脊髄損傷のリハビリテーション:初学者のための実践的アプローチ〜症状・疫学的な視点〜

中心性脊髄損傷のリハビリテーション:初学者のための実践的アプローチ〜診断基準・予後予測〜

 

 

中心性脊髄損傷の神経学的所見について

 

 

中心性脊髄損傷の評価では、感覚障害、運動障害、病的反射、膀胱・直腸障害の検査などをしていきます。これらの評価を行い、その人がどんな状態かを把握しただけで終わってはいけません。大切なのは生活の中でどう問題となるか、どう影響するかを把握し、どのような介入を行なっていくかです。

 

膀胱・直腸障害などは改善するのが難しい部分になってくるので、その改善できない部分を伸ばすのか、残存部位を活かすのかというところも考えなくてはなりません。

前回もお話ししましたが、2年程で症状はプラトーになってくるので、障害が出ている部分に対し早期から介入することで向上させていく必要がありますが、それだけでは生活に変化は出づらいです。生活の中でどう残存機能を活かして、どのように生活していくのかについても診ていく必要があります。

 

 

中心性脊髄損傷の身体的所見について

 

 

残存機能を活かしながらどのように生活していくのかを診ていくためには、動作をみていく必要があります。

 

リハの評価では、「中心性脊髄損傷だからこの評価を診る」というのはありません。生活の場面で必要な評価を行います。

なので、ADLの評価を最初に行っていく必要があります。

 

その人の生活はどのような感じなのか、その人が生活する場所はどんな場所なのか、家屋の状況はどうなのか、帰るとしたら施設なのか、施設だとしたらキーパーソンは誰なのか、キーパーソンは近くにいるのか・・など、まず社会環境を評価し、その社会に戻るために今できていない動作は何なのかを考えていきます。

そして、その動作ができていない要因として考えられるものに、可動域や筋力、感覚、神経学的所見での障害などがあります。

 

まずはその人の社会環境を診て、それに必要な動作があって、そのために必要な所見をとっていくというのがリハの評価の大まかな流れです。

 

リハで評価する内容は、関節可動域、筋力、感覚、反射が主となります。そして、それらを元にした動作(基本動作、ADL動作)があります。

それがどのようにその人の社会に影響するかを診ていきましょう。

 

どうしてもリハビリのオーダーが出ると、疾患名をみてその評価ってなんだろう?と考えてしまいがちですが、そうではありません。疾患名があることでリスク管理をすることはできますが、疾患名に囚われ過ぎてしまうと何をしたかったのかがわからなくなってしまいます。リハビリは疾患を治すのが目的ではありません。その人が日常生活を送れるようにするのがリハビリの目的なので、そのような視点をもって評価をしていくと良いと思います。

 

 

まとめ

 

中心性脊髄損傷のリハビリテーション:初学者のための実践的アプローチ〜評価〜

1. 疾患名に囚われ過ぎず、その人の社会環境から必要な動作や必要な所見を抽出し評価・介入していく。

2. 神経学的所見について、2年程でプラトーになってくるので、早期介入による障害部位の改善と同時に残存部位をどう活かしていくかも考える。

3. 残存機能を活かしながらどのように生活していくのかを診ていくためには、動作をみていく必要がある。その動作を診る上で必要な評価は主に関節可動域、筋力、感覚、反射である。

 

 

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