大殿筋の解剖と機能を徹底解説! 〜学生・新人理学療法士、作業療法士のためのスキルアップガイド〜

大殿筋の解剖と機能を徹底解説! 〜学生・新人理学療法士、作業療法士のためのスキルアップガイド〜

こんにちは、内川です。前回は腸腰筋についてお伝えしました。

>>>腸腰筋の解剖と機能を徹底解説! 〜学生・新人理学療法士、作業療法士のためのスキルアップガイド〜

みなさんは大殿筋についてどれくらい知っていますか?

例えば、変形性股関節症や大殿筋歩行などの問題があり、腰痛や膝の痛みにも関連しています。

しかし、大殿筋が問題かどうかの評価や、なぜ変形性股関節症や膝の痛みに関わるのかを説明できますか?正直に言うと、私も以前は大殿筋がどう変形性股関節症に関わるのか、なぜ殿部の筋力が膝の痛みに影響するのかを説明できず、正しく評価することができませんでした。

しかし、学生時代や新人理学療法士の時に得意でなかった解剖学を改めて確認することで、正しい評価や症状への影響、治療法を考えられるようになりました。

では、一緒に大殿筋の解剖について確認していきましょう!

今回の解説では、以下の内容を詳しく説明します。

  1. 大殿筋の解剖学と機能
  2. 大殿筋の評価方法(MMT、腹臥位以外での方法)
  3. 大殿筋強化エクササイズ(ヒップリフト、その他)
  4. 臨床メモ(坐骨神経痛、歩行との関連性)
  5. まとめ

1.大殿筋の解剖学と機能

大殿筋の解剖学と機能

起始:

腸骨稜の後部、仙骨の後面、 尾骨の側面、仙結節靭帯

停止:

上部線維:腸脛靭帯

下部線維:大腿骨の殿筋粗面

大殿筋は上部線維と下部線維に分かれ、上部線維は外転・外旋・伸展、下部線維は内転・外旋・伸展と作用します。

大殿筋自体は殿部の筋肉の中で一番表層にあり、大きく厚みのある筋肉になります。

2.大殿筋の評価 MMT

大殿筋の評価

MMTを確認しましょう

段階5、4、3の方法:
  1. 腹臥位になる(上肢は頭の上に伸ばすか、検査台の縁をつかむ)
  2. 膝関節を90°屈曲位にする
  3. 検査者はテスト側に立つ。
  4. 膝関節屈曲位のままで、可動域全体にわたり股関節を伸展する。
  5. 抵抗を膝関節の近くで大腿部にかける
大殿筋MMT1 大殿筋MMT2

判定:

  • 5:最大抵抗に耐えられる。
  • 4:中程度〜強度の抵抗に対して耐えられる。
  • 3:抵抗がなければ可動域全てを動かせ、最終域を保持できる。

※代償動作としては骨盤回旋や膝の過屈曲が生じやすいです!

段階2の方法:
  1. テスト側を上にした側臥位をとり、膝を屈曲してもらう。
  2. 下の下肢は屈曲位で安定させておく
  3. 体幹を中間位にしておく
  4. 検査者は患者の後ろに立ち、テストする下肢の膝を下から抱える。
  5. 反対の手で体幹の中間位を保持するように骨盤を支える
  6. 股関節を伸展してもらう。
大殿筋MMT3

判定:

  • 屈曲可動域を全て動かせれば2
段階1、0の方法:
  1. 腹臥位をとる。
  2. 殿部中心部を指で深く押し大殿筋を触知する。
  3. 股関節の伸展を行なってもらう
大殿筋MMT4

判定:

  • 1:筋の収縮を感知できるが関節運動は起こらない。
  • 0:筋の活動なし

腹臥位になれない場合の別法

段階5、4、3の方法:
  1. 高さのある検査台にて足を地面につけたまま、体幹を検査台上に乗せる。
  2. 膝関節を90°屈曲位にする。
  3. セラピストはテスト側に立つ。
  4. 膝関節屈曲位のままで、可動域全体にわたり股関節を伸展する。(範囲は小さい)
  5. 抵抗を膝関節の近くで大腿部にかける
大殿筋MMT5

判定:

  • 5:最大抵抗に耐えられる。
  • 4:中程度〜強度の抵抗に対して耐えられる。
  • 3:抵抗がなければ可動域全てを動かせ、最終域を保持できる。

3.大殿筋強化エクササイズ

MMTに従い、収縮を入れたい繊維の作用を利用し(上部繊維:外転位、下部繊維:内転位)下肢を上げます。

ヒップリフト:

  1. 仰向けに寝て、膝を90度に曲げ、足の裏を床につける。
  2. 両手を体の横に置き、手のひらを床につける。
  3. お尻に力を入れて、腰を床から持ち上げる。
  4. 肩から膝までが一直線になるように、お尻をできるだけ高く上げる。
ヒップリフト1 ヒップリフト2

※足が遠くなるとハムストリングの収縮が強くなり、攣りやすいので注意してください。

ヒップリフト3

4.臨床ちょこっとメモ

・大殿筋とハムストリングの間から坐骨神経が出ているので、大殿筋が硬くても坐骨神経痛のような症状が出ることもあります。

・歩行時に大殿筋はIC、LR、MSTで特に筋活動が多くなります。そこで歩様が崩れる場合や動揺が生じる場合は大殿筋の問題かもしれません。

5.まとめ

  • 大殿筋の解剖学と機能:
  • 大殿筋は腸骨稜の後部、仙骨の後面、尾骨の側面、仙結節靭帯から起始し、上部線維は腸脛靭帯、下部線維は大腿骨の殿筋粗面に停止します。上部線維は外転・外旋・伸展、下部線維は内転・外旋・伸展に関与します。殿部の表層にあり、大きく厚みのある筋肉です。
  • 大殿筋の評価方法(MMT):
  • 大殿筋の評価には、MMT(徒手筋力テスト)を使用します。腹臥位や側臥位など、患者の状態に応じて評価方法を調整します。最大抵抗に耐えられるか、可動域を全て動かせるかなどの基準で判定します。
  • 大殿筋強化エクササイズ:
  • 大殿筋の強化には、ヒップリフトなどのエクササイズが効果的です。仰向けに寝て膝を90度に曲げ、足の裏を床につけた状態でお尻を持ち上げ、肩から膝までが一直線になるようにします。ハムストリングの収縮にも注意が必要です。

今回記載したものはあくまでも筋単体のことです。実際の治療においては大殿筋の周囲にいくつもの筋肉が存在しており、深さも考えなければなりません。周囲に何があるか、イメージできていますか?不安な方はぜひ一緒に勉強しませんか?https://lts-seminar.jp/anatomyimage/

参考文献

  • 新・徒手筋力検査法 原著第9版
  • 基礎運動学第6版補訂
  • 病態動画から学ぶ臨床整形外科的テスト

臨床に活かせる解剖学を体験しながら学ぶには...

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