毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
前回までは股関節伸展についてお伝えしてきました。本日は股関節屈曲についてお伝えしていきます。
前回までの記事はこちら↓
股関節伸展の可動域制限に対して伸展ROMex.で良いのか? from リハコヤ
股関節伸展の可動域制限に対して伸展ROMex.で良いのか?② from リハコヤ
股関節伸展の可動域制限に対して伸展ROMex.で良いのか?③ from リハコヤ
股関節屈曲について
股関節屈曲の参考可動域は125°です。しかし、解剖での骨盤と大腿骨との間の関節を計測した結果によると、股関節屈曲時における骨盤と大腿骨の間の角度は93°と報告されています。
つまり、純粋な股関節屈曲の可動域は90°前後ということになります。
股関節屈曲の参考可動域と純粋な股関節屈曲の差とは?
では、参考可動域125°と純粋な股関節屈曲90°の可動域の差は何なのでしょうか?
それは、股関節を屈曲するにつれて骨盤が後傾し腰椎が後弯するので、その角度も股関節屈曲に含まれています。股関節屈曲は複合運動になっているというイメージを持つとわかりやすいでしょう。
入浴時の股関節屈曲や立ち上がり時の骨盤前傾には股関節の深屈曲が必要不可欠です。股関節が参考可動域125°付近まで達しない場合、可動域制限となっている原因を考えていかなければいけません。
股関節屈曲の可動域制限がある場合、
・股関節由来なのか?
・骨盤由来なのか?
・腰椎由来なのか?
を判断していく必要があります。
純粋な股関節屈曲の評価方法とは?
純粋な股関節の屈曲を評価するためには、骨盤後傾と腰椎後弯を防ぎながら股関節屈曲をしていきます。そのためには、腰椎の下にタオルを挟み骨盤前傾・腰椎前弯させた状態で股関節の屈曲ROMを行います。
このとき、屈曲90°に満たない場合は、股関節と臼蓋の間に問題がある可能性があると判断できます。
タオルをどれくらい挟めばいいのか、という質問をよくいただきますが、この時のタオルの厚みは、背臥位になったときの骨盤前腕が保たれる程度で充分です。
股関節屈曲の可動域が不足している場合、考えられる制限因子はハムストリングスと薄筋、坐骨大腿靭帯の下部、下方関節包です。これらを参考にアプローチをおこないましょう。
まとめ
股関節屈曲について
1. 股関節屈曲の参考可動域は125°だが、純粋な股関節屈曲の可動域は90°前後である。
2. 股関節屈曲の動きは、股関節を屈曲するにつれて骨盤が後傾し腰椎が後弯する複合運動であり、日常生活において必要不可欠な動きである。
3. 股関節屈曲可動域に制限がある場合、股関節由来なのか、骨盤由来なのか、腰椎由来なのかを分けて考える。
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