毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は、運動学習のポイントについてお伝えしていきます。
スキーマ理論とは?

GMP(Generalized Motor Program)とは、一般化された運動プログラムのことで、動作レベルの枠組みと言われています。例えば、歩くときにどのように手足を動かすか、立ち上がるときに骨盤がどのように動くかなどです。
スキーマとは、運動のパラメータつまりどれくらいで動作を行うかを表すものです。例えば、早く立ち上がるのか、ゆっくりと立ち上がるのかなどです。
スキーマはさらに2種類に分けられ、再生スキーマは運動をしたときに用いたパラメータのことで、再認スキーマは運動をしたときに生じた運動感覚のことです。
GMPと再生スキーマで、使用する運動プログラムが組まれ、身体が動きます。これにより固有受容感覚(フィードバック情報)が入ってきます。
そして、GMPと再認スキーマによって予想される感覚イメージ(フィードフフォワード情報)が作られます。この二つの情報を照らし合わせて、自己評価していきます。その後自己修正を行い、新しく修正された運動プログラムが組まれていきます。
運動学習のポイントとは?
この一連の流れを繰り返すことによって運動学習が進んでいきます。
その際のポイントが2つあります。
一つ目は、運動した結果に対して指導者による評価・フィードバックが行われることです。つまり、動作に対して療法士がフィードバックを行うことが重要です。
二つ目は、運動した結果に対して、自己評価が行われることです。運動が上手くできたときのアウトプットをしてもらうことも大切です。ある運動ひとつでも、その動作を行う際に意識している部分には個人差があります。その人がどの感覚を使ってどのように表現するのかを聞くためにアウトプットをしてもらいましょう。それを知ることで、一つ目のポイントである指導者によるフィードバックがより効率的になります。
GMPは恒常練習によって形成されます。恒常練習とは、何度も繰り返し同じ動きを練習する方法です。恒常練習をすることによって、動作に統一性が出てきます。このときにも、動作がうまくできたときにはその感覚をアウトプットしてもらいましょう。
恒常練習だけでは生活の中では使えるようになりません。スキーマは多様性練習によって形成されるため、さまざまな条件下において練習する必要があります。
さらに、ダブルタスクを与えることで、意識を向けずに動作をおこなう(無意識で動作をおこなう)ことができるようになります。ダブルタスクの最も簡単な方法は会話をすることです。
ぜひ実践してみてください。
まとめ
動作訓練のポイント
1. 動作に対して療法士がフィードバックをおこなう。
2. 運動した結果に対して自己評価をおこない、アウトプットしてもらう。
3. 運動学習のためには恒常練習と多様性練習が必要であり、ダブルタスクを与えることで無意識に動作をおこなうことができるようになる。
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