股関節疾患のリスク管理ー変形性股関節症

股関節疾患のリスク管理ー変形性股関節症

みなさん、こんにちは!
クリニック勤務、理学療法士の林です。

みなさんは変形性股関節症を有している患者さん、利用者は担当していますか?
担当している場合、リスク管理はどう行いますか?

私が昔困っていたのは、
「鼡径部痛みがあるけどどうすればいいの?」
「股関節屈曲の可動域ってどうやったら改善するの?」
「跛行はどうしたら改善するの?」
と思っていました。

悩んだ状態で評価やアプローチ、運動療法も上手くできませんでした。
患者さん、利用者からも
「痛みが良くならない」
「足がなかなか曲がらない」
「杖無しで歩けるようになるのかな」
などと言われて悔しかった思い出があります。

確かにリスク管理はリハビリを行う上で非常に重要です。
・変形性股関節症の分類を知りたい
・変形性股関節症になってしまう原因が知りたい
・リハビリする時の注意点を知りたい
そんなことを思っていました。

今回は変形性股関節症をお持ちの患者さん、利用者さんのリハビリをするために
「リスク管理」に注目したポイントをご紹介したいと思います。

  1. 変形性股関節症のリスク管理を行う前に
  2. 変形性股関節症のリスク管理ー分類
  3. 変形性股関節症のリスク管理ーリハビリ時の注意点
  4. 変形性股関節症のリスク管理のまとめ

変形性股関節症のリスク管理を行う前に


変形性股関節症のリスク管理を行う上でまず大事なことがあります!
それは、

【なぜ変形してしまったのか?】

です。

例えば、

  • 臥床傾向で身体を動かす機会が少なかったのか
  • 仕事で座っている時間が長かったのか
  • 買い物によく出かけていたのか

など「どのような日常生活をおくっていたのか?」を確認することで必要なリスク管理の内容が決まります。

  • 臥床傾向で身体を動かす機会が少なかったのか
    ➡起居動作方法の確認
  • 仕事で座っている時間が長かったのか
    ➡座っていた椅子の形状の確認
  • 買い物によく出かけていたのか
    ➡スーパーまでの道のりを確認

など行っていた日常生活により注意する環境が異なります。
必ず「どのような日常生活をおくっていたのか?」チェックしてみてください。
続いて分類やリハビリの注意点をご紹介していきます。

変形性股関節症のリスク管理ー分類


分類はレントゲン検査にて行います。
ポイントは
【関節裂隙】の広さ
になります。

変形性股関節症は4つの病期にて区別されます。
①前股関節症
②初期股関節症
③進行期股関節症
④末期股関節症
とされています。

①前股関節症の段階では保存治療
②初期股関節症になると骨切り術(骨盤、大腿骨)
③進行期股関節症と④末期股関節症は人工骨頭置換術

が主な適応となります。

あくまでレントゲン検査は医師の診断のための評価の一つ。
大事なのはレントゲンの状態とともに実際の患者さんの疼痛や可動域制限、歩行障害の程度を評価することです。レントゲン上では裂隙の狭小化が見られても、実際の可動域や、歩行にはあまり影響が見られないこともあります。

関節可動域、筋力検査などを統合した評価で患者さん、利用者さんの状態の確認していきましょう!

変形性股関節症のリスク管理ーリハビリ時の注意点

 

①前股関節症の段階では疼痛の自制内でのROMexや動作訓練
②初期股関節症では手術の適応になってくるので過剰なアプローチは疼痛を増悪させる可能性があります。
③進行期股関節症と④末期股関節症は人工骨頭置換術が適応になるため、状態によっては股関節以外の、体幹・下肢へアプローチする必要があります。
また、疼痛により動く時間が減っている場合は下腿の浮腫や股関節以外の可動域制限にも注意する必要があります。

変形性股関節症のリスク管理のまとめ

変形性股関節症の対象者のリスク管理のポイントは

  1. どのような日常生活をおくっていたのか?
  2. 変形性股関節症の病期の確認
  3. 股関節以外の評価

そしてリスク管理をする上でポイントは
医者、看護師、患者さん、利用者さんに確認する。
カルテをみておく必要もありますね。
当たり前ですが忘れないようにしていきたいですね。

いきなり全部行うのは大変ですが、患者さん、利用者さんの目的や希望に合わせて
明日からリスク管理をしていきましょう!

実際にどんなことをやるのかご興味のある療法士はこちらをオススメします!
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療法士活性化委員会
認定インストラクター 林凌磨

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