こんにちは、担当していた患者さんがなかなか本当の主訴や思いを伝えてもらえなくて苦労したな〜っと昔を振り返っている療法士活性化委員会委員長の大塚です。
今回は以前の記事「主訴、HOPE、need、目標設定が難しい!!」の続き、ご本人から聴取できないときの方法です。以前の記事はこちら>>>主訴、HOPE、need、目標設定が難しい!!
今回はICFの参加と環境因子がポイントとなります。
本人から聴取できない場合は家族に聴く
認知症、や意識レベルの低下で本人から主訴やHOPE、目標など聴取できない場面もよくあります、本来であれば本人から聴取するのがいいのですが、聞けない場合は家族に聞いてみましょう。
ポイントは在宅復帰を望むか望まないか?と望む場合にどの状態までなら在宅復帰を選択するのかを明確にしておきましょう。
ICFを元に考えてみる。
ICF(国際生活機能分類)とは「健康の構成要素に関する分類」であり、「すべての人間に関する分類」です。その中でも特に背景因子(環境因子、個人因子)が特徴的で、生活機能と背景因子が相互に作用しています。
僕もよく経験していたのですが、身体機能、ADLは同程度なのに在宅復帰できる人と施設退院する人どちらもいました、これは環境因子や個人因子の影響で例えば独居で自宅まで階段で4回まで上がらなければいけないとか、経済的に受け入れができないとか、家族関係がイマイチだとか様々な要因があります。
なので本人から主訴やHOPEが聴取できない場合はこのその方の環境因子に含まれる家族から聴取してみましょう。
在宅復帰の基準を明確にしておく
家族に聴取するときのポイントは
- 在宅復帰を望むかどうか?
- どの段階まで出来れば在宅復帰を選択するのか?
の二つをポイントにしましょう。
在宅復帰を望むか望まないか?
本人の希望ももちろんですが、家族の意思も尊重されるものです。ただ家族も介護が必要なのか?歩けるのか?トイレはいけるのか?など先が見えない不安があります。
療法士として予後予測をした上で介護の量やADLなども合わせてお伝えし、選択をしてもらうようにしましょう。
また療法士の注意点として「リハ室でのADLがそのまま帰ってもできる」と思わないことが大切です。基本的にリハ室では環境が整っており、持っている能力を最大限発揮してのADLです。自宅に帰ってからは毎回その能力が発揮できるとは考えないようにしましょう。
どの段階まで出来れば在宅復帰を選択するのか?
在宅復帰を望む場合もADLの改善がどの程度で受け入れができるかも明確にしておきましょう。実際に介護がどの程度必要なのか、その介護が何ヶ月、場合によっては何年も続くこともあります。そのことも合わせて説明し、受け入れるご家族のQOL低下しないように配慮しましょう。終わりがない介護生活は精神的にも肉体的にも負担となります。
施設に入所している場合
僕は以前療養型の病院に勤めていました。もちろん人によって違いますが、10数年入院されていたり、家族の面会も月に1度あるかないかと言う方もいました。その場合の目標設定などはどうしていたかをお伝えします。
この場合もICFを元に考えていきます。基本的に施設に入所されている方の参加は「病棟での生活」になります。そうなると聴取する相手は看護師さんや介護士さん、そして病棟でのその方の役割は「急変なく過ごす」が考えられます。
職員の数は限られています。その中で急変が起きてしまうとどうしてもそこに人員を裂かなければいけません、そうなるとそのほかの人のリスク管理が相対的に少なくなり、さらなる急変を招きかねません。そのために療法士ができることはポジショニングやシーティングによるリスク管理です。
まとめ
もし本人に聴取できない場合
- ICFを元に参加と役割を明確にし、家族、スタッフに聞く
- 在宅復帰の条件を明確にする
- 介護がずっと続くことを想定する
の三つが挙げられます。
本人から聴取ができない場合意識してみてください^^
こちらではICFを元にした症例検討もカリキュラムに含まれています。
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