みなさま、こんにちは!
Assessmentコースの講師の加藤です。
療法士の皆さんの多くは臨床でこのような経験をしていませんか?
・臥位では膝が伸展するのに、立位になったら伸展しない・・・
おそらく多くの療法士がつまずくポイントではないでしょうか?
では、なぜ臥位と立位に違いが出てしまうのでしょうか?
本日はそれを解説して行きましょう!
膝自体の問題ではないのか?
臥位において、膝が伸展するということは膝自体の伸展制限は解消されていると考えていいでしょう。そのため立位での伸展制限は膝関節の以外の問題と考えられます。
臨床では『膝は中間関節だから股関節と足部をみないといけないよ』と言われる理由はこれですね。
これを解決するためには立位と臥位との違いを運動学で考えないといけません。
臥位と立位の違いについて
こん違いは何か?
簡単にお話すると脛骨に荷重がかかっている状態か?非荷重か?が大きな違いです。
運動学ではこちらをCKCとOKCという言葉で分けていますね。
OKCとは?
OKC:開放性運動連鎖の特徴
OKCとは、主に上肢・下肢などが固定されない状態での運動になります。
解かりやすくいうと、手・足などを地面・床面から離した非荷重位での運動になります。
ベッドの上などで、足が固定されていない状態で足を挙上したり、回旋したりするような動きになります。
下肢は立っているとどうしても地面と接しているために、ほとんどがCKCの運動が多くなってしまいます。
逆に上肢は地面・床面と接することは、あまりないので、OKCでの運動がメインになっています。
(参照:総合リハビリテーション 33巻9号)
CKCとは?
CKC:閉鎖性運動連鎖の特徴
CKCとは上肢・下肢の末端が固定された状態での運動になります。
解かりやすくいうと、手・足などを地面・床面に接している荷重位での運動
代表的なものはスクワットやランジなどがCKCでの運動になります。
上肢のCKC運動は腕立て伏せのような運動などが当てはまります。
(参照:総合リハビリテーション 33巻9号)
何が一番変わるのか?
それは同じ筋が収縮しても、OKCでは抹消側の骨が動きます、CKCでは中枢側の骨が動きます。
例えば大腿四頭筋では
OKC:荷重がないため下腿が動く
CKC:荷重があるため脛骨は固定されているので大腿・骨盤が動く
となっています。
では膝ではどうでしょう?
膝が伸展すると最終域では脛骨が外旋します。これをスクリューホームムーブメント(終末強制回旋運動)と言われています。
しかし、この動きはあくまでもOKCでの話です!
立位になると荷重により脛骨は固定されているので、中枢部の大腿骨が内旋します!
つまり、立位での膝関節の伸展には股関節の内旋が重要なポイントとなっています。
皆さんは股関節内旋の可動域を測定していますか?アプローチしていますか?
ぜひ試してみてくださいね!
この内容はAssessmentコースで詳しくお話しています。
療法士活性化委員会のAssessmentコースでは、
体幹・股関節・膝関節・足関節・肩関節・嚥下の機能低下の要因を把握できる評価法をお伝えしています。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
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療法士活性化委員会
認定講師
作業療法士 加藤 淳