大腿骨頚部骨折のリハビリって? ~痛みの原因 関節編~

大腿骨頸部骨折のリハビリって? ~痛みの原因 関節編~

みなさんこんにちは、
療活の林です。

みなさんは大腿骨頸部骨折の患者さん利用者さんが来た時、どのように痛みにアプローチしていますか?
実は大腿骨頚部骨折の疼痛軽減を行う上で大事な3つのポイントがあります。

それは
1.関節性
2.筋性
3.神経性
3つです。

リハビリを行う上で1番患者さん利用者さんが望んでいることはなんだと思いますか?

それは
「今よりも状態を良くしたい!」
です。

そのために先に挙げた3つのポイントを確認しておくことが必要となります。

まず、第1段は関節についてです。

関節の理解について大事な点は3つ
1.関節構成体
2.関節形状
3.関節運動
です。

それでは一緒に解剖を確認していきましょう!

1.関節構成体

まず1つめの関節構成体は寛骨臼と大腿骨頭になります。
周辺には関節唇、関節包、靭帯で覆われています。
それにより関節が脱臼しないように安定させます。

靭帯は腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯があります。

腸骨大腿靭帯は伸展、外旋、内転
腸骨大腿靭帯は伸展、外旋、外転
坐骨大腿靭帯は内旋、外転

を制御します。
特に腸骨大腿靭帯は人体の中でも最強の靭帯になり、伸展を強く制御します。1)より

そのため股関節の伸展は元々しにくい構造をしていることが分かりますね。
あなたの周りの患者さん、利用者さんの股関節伸展の可動域は何度ありますか?

2.関節形状

次に関節形状ですが、
臼状関節となります。
これは大腿骨頭が寛骨臼に約2/3はまり込んでいるためになります。
この状態だと動きにくそうなイメージですね。

では、なぜ股関節はそんなにはまり込んでいるのでしょう?

いくつかの仮説がありますが、
4足歩行から2足歩行へ進化した説が有力。
とされています。2)より

つまり、元々の構造とは異なります。
なので股関節には負担がかかりやすく骨折しやすいのではないかと考えられます。

2足歩行で活動するのが人間です。
そうなると歩行する前の立位姿勢で股関節の角度を確認していきたいですね。

3.関節運動

最後に関節運動についてです。
関節運動は
屈曲、伸展
外転、内転
外旋、内旋
となっています。

たくさん確認する運動が多いですね。
こんな時は要点を絞るほうがシンプルです。

先ほど述べたように股関節伸展は特に制御されやすいです。
なので整形外科的テストである「Ober test」を用いるのをオススメします。
元々は大腿筋膜張筋の伸張性の検査ですが、股関節伸展を評価することにも応用できます。

まとめ!

まとめると大腿骨頚部骨折の痛みで股関節をみるときは、
1.関節構成体
2.関節構造
3.関節運動
Ober testが陽性だった時は股関節のモビライゼーションをしてみてください。
まずは関節を知り、「今よりも状態を良くする」をしませんか。

次回は筋の問題について説明していきます。
>>>大腿骨頚部骨折のリハビリって? ~痛みの原因 筋編~

大腿骨頚部骨折のリハビリで自信を持ちたい!そんなあなたには
>>>大腿骨頚部骨折に対する評価とアプローチ法

療法士活性化委員会
認定インストラクター 林 凌磨

参考
1)基礎運動学 第6版
2)よくわかる 股関節・骨盤の動きとしくみ

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