こんにちは、自分で自分に運動療法を行っているので可動域が向上している療法士活性化委員会委員長の大塚です。
今回はROMeに必要な筋の制御についてのお話です。
ROMexは療法士になると必ずと言っていいほど行うプログラムの一つだと思いますが、あまり効果が感じられなかったり、変化が出てもすぐに戻ってしまうって経験ありませんか?
実はこれ、筋による制御について考えていないと陥りやすい現象です。僕自身もよく陥っていました。
関節可動域には2種類ある
関節の可動域を測定するのに2つの方法があります。それは
- 他動運動(passive ROM)
- 自動運動(active ROM)
の二つです。これはどちらも重要なんですが、「動く」という視点から見ると自動運動(active ROMがより重要となります。
自動運動(active ROM)の測定は?
自動運動といえば徒手筋力検査(MMT)で測定しましょう。現在のMMTではブレイクテストが主流となっており、最大可動域での等尺性収縮ですが 、必ず他動運動(passive ROM)動かせる全可動域を自動運動で動かせるかという求心性収縮も同じように測定してみましょう。
忘れてはいけない重力の影響
抗重力位では姿勢を維持するために筋が遠心性収縮をして動きを制御しています。
この拮抗筋の遠心性収縮での制御ができないと可動域は維持できません。
例えばしゃがみこみ動作の股関節を例にとると
股関節は腸腰筋の求心性収縮の働きで屈曲します。ですがしゃがみこみの場合は股関節屈曲の拮抗筋である大殿筋やハムストリングスの遠心性収縮で制御しながら股関節が屈曲をしていきます。
なので他動運動で120°、自動運動で110°、腸腰筋MMT5の可動域があったとしても大殿筋、ハムストリングスの遠心性収縮ができなければしゃがみこみはできません。
遠心性収縮ができるようになるためのROMexの方法は?
PIR(post isometric relaxation)をご紹介します。
方法はいたって単純
- 最大可動域まで他動で動かす
- より可動域が拡大する方向に抵抗を加えそれを押し返してもらう(7秒間、等尺性収縮)
- 解放後に自動介助で全可動域を動かす
股関節屈曲で例にとると
- 股関節屈曲の最大可動域まで動かす
- さらに屈曲する方向に抵抗を加えてそれに対して股関節伸展してもらう(7秒間、等尺性収縮)
- 解放後、股関節屈曲の最大可動域まで自動介助運動を行う
PIRを行うことで最大可動域での拮抗筋の等尺性収縮ができるようになり、最大可動域まで遠心性収縮をしながら筋の制御ができる状態になります。
まとめ
ROMex後の可動域を維持できるようにするには
- 他動運動、自動運動に加えて拮抗筋の遠心性収縮による筋の制御が必要
- 拮抗筋の遠心性収縮にはPIRが有効
です。ぜひ試してみてください^^
ROMexを効率的に行いたいと思った方はこちら>>>【触診が苦手な方限定】ROMexを効率的に行うための触診・アプローチ法セミナー
記事の目次ページへ →
この記事が「おもしろい!」「為になった!」と思ってくださった方は、ぜひ「シェア」や「いいね!」をお願いします!!
今すぐ「いいね!」ボタンを押して「療法士のためのお役立ち情報」をチェック!
↓ ↓ ↓ ↓