こんにちは、久しぶりに風邪を引いて寝込んでいる療法士活性化委員会委員長の大塚です。急に寒くなってきているのでみなさんも気をつけてくださいね。
もう理学療法士として経験も長くなってきたのですがなりたての頃から「評価ができていないね」「ちゃんと評価したの?」「その評価本当にあってる?」と言われ続けたので改めて評価について勉強してみたいと思います。
評価には大きく分けて
- 情報収集
- 検査・測定
- 仮説・検証
の3つがあります。今回の記事では1、情報収集について書きます。
リハビリの評価を勉強してみる〜検査・測定編〜 2019年10月25日公開
リハビリの評価を勉強してみる〜仮説・検証編〜 2019年11月1日公開
リハビリの評価を勉強してみる〜まとめ〜 2019年11月8日公開
リハビリにおける評価とは?
一般の臨床医学で疾病の根本的な回復を目的に、疾病原因を究明する作業を診断と呼ぶ。これに対してリハビリテーションでは、心・身機能、日常生活の活動性、社会生活への参加を把握する作業を評価と呼ぶ。評価はこれらの障害の要因を分析し、解決手段を検討し、有効性を確認する作業をいう。
Wikipediaより引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/リハビリテーション
とあります。要は現状把握からアプローチの有効性の確認まで行う必要があります。
まず情報収集
情報収集は1、患者様、利用者様から直接収集するものと2、間接的に収集するものに大きく2つに分かれます。
1、の直接収集するものはいわゆる問診、2、の間接的に収集するものはカルテやサマリー、他部門情報などがあります。
1、直接収集、問診で聞くこと
問診で必ず聞いてもらいたいことは主訴とHOPE(demand)です。
患者さん、利用者さんは体に何かしら不調をがあり、リハビリを受けています。まず最初に主な訴えの「主訴」とどうなりたいのか?の「HOPE」を聴きましょう。そして大事なことはどちらも客観的な情報として療法士の主観を入れずそのままの訴えをカルテに記載してください。
この主訴とHOPEが今後のリハビリのテーマとなります。
もちろんHOPEがわからない方もいます。特に入院中や施設入所されている方などHOPEが聴取できないことが多いです。その場合は最後まで自分でやりたいADLを聞いてみるのも一つの方法となります。
主訴とHOPEを明確にしたのち、受傷起点や家族構成、住環境などをHOPEを基準にして問診していきましょう。そして意外と大事なのが趣味です。患者さんの趣味を把握しておくことでのちのリハビリに生かせることがあります。合わせて聞いてみるようにしましょう。
身体状況を把握するための問診として聞くことは
リハビリの患者さんですと痛みを訴える方が多くいます。痛みを把握するための問診としては
- どこが?:どの部位で起きているのか?表層か深層か?
- いつから?/いつ?:異変を感じた時期、または異変を感じる時間帯、痛みの経過など
- なぜ?:考えられる理由は?受傷起点など
- どうやって?/どうすると?:特定の動作で痛みがあるか?または軽減するか?
- どのくらい?:頻度や強さなど、痛みの程度はVASなどで定量化する
ただし、痛みは意識すると増強することもあります。あまり痛みに固執せず、動きのやりやすさ、やりにくさで評価していくといいでしょう。
問診で注意すること
患者と療法士という関係性だとしても基本は初対面。初対面の人に病気の状態や生活環境、家族のことまで根掘り葉掘り聞かれるのはあまりいい気はしません。まずは挨拶、自己紹介などの療法士の自己開示から行いお互いの信頼関係を築いていきましょう。
2、間接的収集
カルテからは名前、性別、生年月日、介護度、原疾患、既往歴、合併症、入院日、退院予定日、手術日、術式、治療経過、栄養状態など。
画像診断ではレントゲンやMRI、CTなどを確認しましょう。
間接的な情報収集で目的とするのは予後とリスク管理です。
例えば画像診断や生年月日、原疾患、合併症、既往歴から機能回復の予測や再発のリスク管理など、術式などから機能低下する部位の予測や禁忌事項などのリスク管理を行なっていきます。
具体的な疾患別のリスク管理はこちら>>>TKAのリハビリ 〜アプローチ、評価、リスク管理方法〜
まとめ
リハビリの評価の第一段階情報収集では
- 直接収集する問診では「主訴」と「HOPE」
- 間接的収集では「リスク管理」と「予後」
を目的に聴取してみましょう。
次回は具体的な検査・測定編です。何を目的にどんな動作を見てどんな検査をしてくかをお伝えしていきます。
リハビリの評価を勉強してみる 〜検査・測定編〜 2019年10月25日公開
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