フレイルとサルコペニアについて勉強してみた 〜フレイル編〜

こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。

理学療法士大塚久

世間では新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出の自粛が要請されています。もちろん新型コロナウィルスによる肺炎は命の危険が伴うため、感染拡大防止は必要なものだと思います。ただ、外出の機会が減ることで懸念されるのが活動量低下による運動機能、認知機能の低下です。そこで今回は加齢に伴う筋力低下としてよく耳にする、フレイルとサルコペニアについてお伝えしていきます。

フレイルって?

フレイルは

加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態

とされています。

病気ではないものの健康ともいえず、介護が必要なほどでもない状態。健康な状態と要介護の状態の間くらいとイメージしておいてください。

フレイルの特徴

  1. 加齢による脆弱性
  2. 介入による可逆性
  3. 要因の多面性

といった特徴がありま。

要は加齢に伴う変化もあるが、要因がたくさんあるため、介入により変化することもあるということです。なので介護予防の視点から見るとこのフレイルの状態で介入することが大事になります。

フレイルになる要因

フレイルには単に身体的な要因だけでなく

  1. 身体的要因:筋力低下、筋量の低下
  2. 精神心理学的要因・うつ、認知機能の低下
  3. 社会的要因:社会参加の減少、孤立、役割の喪失

が重なりあって影響しています。

これらは相互に影響していますが、特に社会的要因、役割の喪失が大きな要因となっていると考えます。

①役割の喪失:子供の自立・結婚、退職、地域社会の変化など)

②精神、認知機能の低下:うつ、孤独、喪失感

③身体的要因の低下:筋力低下など

①に戻り身体的要因の低下により社会参加の制限、役割の喪失

といった負のループに入り込んでしまいます。

フレイルの評価

日本では2006年から基本チェックリストというものが用いられて評価をしてきました。

厚生労働省から2020年より75歳以上の高齢者を対象としたフレイル健診をスタートすると発表があり、以下の表を用いて行います。

厚生労働省 高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版 より引用

  1. 健康状態:1
  2. 心の健康状態:2
  3. 食習慣:3
  4. 口腔機能:4、5
  5. 体重変化:6
  6. 運動・転倒:7、8、9
  7. 認知機能:10、11
  8. 喫煙:12
  9. 社会参加:13、14
  10. ソーシャルサポート:15

それぞれの項目の詳しい内容は厚生労働省 高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版を参照してください。(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000557576.pdf

フレイルの介入

フレイルの介入の柱となる3つが

  1. 運動
  2. 栄養
  3. 社会参加

です。

運動はもちろんですが、オーラルフレイルという概念もあるように口腔機能、嚥下機能、そしてそれらに伴う栄養状態が大事になります。いくら運動をしたところで栄養状態が悪ければ筋肉は増えません。そしてただ1人運動するだけでは長くは続きません。ひとりひとりに合わせた社会参加と役割も一緒に見つけて行けるように支援していきましょう。

まとめ

フレイルで大事なことは

  1. 介護が必要ではないけど予防のためには介入が必要
  2. 社会的、精神心理的、身体的要因がある
  3. 運動、栄養、社会参加が大事

次回はサルコペニアについてお伝えしていきます!

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参考資料

  1. 厚生労働省 高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版
  2. 荒井 秀典 フレイルの意義 日老医誌 2014;51:497―501

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