毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!
問
慢性腰痛に対する認知行動療法で誤っているのはどれか。
1. 痛みの有無を頻回に確認する。
2. 腰痛の不安を解消する映像を見せる。
3. 腰を反らしても痛まない体験を繰り返させる。
4. 痛みがあっても行える活動があることを認識させる。
5. 適切な身体活動は痛みを増悪させないことを説明する。
解答
1
解説
認知行動療法とは行動科学と認知科学を臨床の諸問題へ応用したものと定義されています。
問題を具体的な行動どのような行動でどのような精神活動が生じるかを行動分析して介入を行います。
痛みの分類
- 侵害受容性疼痛:侵害刺激による疼痛
- 神経障害性疼痛:神経の障害による疼痛
- 神経可塑性疼痛:中枢性の可塑的変化による疼痛。実際の侵害刺激や神経障害が治癒したあとでも起こりうる。
の3つがあります。
認知行動療法ではものすごくシンプルに説明すると
「この動きをしても痛くない」
この体験を増やすことで
「動いても痛くない」
という神経の可塑性を利用して疼痛の改善を図ります。
そのためには効果判定を
痛みの有無、強弱ではなく
行動ができるかどうかで判定していきます。
なので問題文で当てはめると
- 痛みの有無を頻回に確認する。
効果判定を痛みの有無にしているので間違い。解答は1になります。
これを臨床で活かすには?
腰痛に限らず痛みを主訴とする患者様は数多くいます。もちろん疼痛はリハビリの大きな阻害因子でもあり、どの動きでも痛みがないことに越したことはないですが、リハビリに目的は「痛みの除去」ではなく、「ADLの改善」です。痛みの訴えの方に対して痛みの有無を効果判定とせず、その痛みによって困っているADLがどう変化したかで効果を判定するようにしましょう。
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