こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
前回筋肉についてのざっくりとした知識をお伝えしました。今回は筋肉の基本である「筋収縮」についてお伝えします。
- 筋の張力は長さ、速さ、負荷量で変化する
- 筋力、筋パワー、筋持久力の違い
- 日常生活で使える筋力を増強するにはどうしたらいいか
を解説していきます。
筋肉の基本的な事柄はこちら
>>>筋肉について勉強してみた
筋収縮について
筋の収縮は以下の3つの要素に影響を受けます。
- 張力-長さ:筋の長さにより出力する張力が異なる。静止長が最大。
- 力-速度:収縮する速度が早ければ小さく、遅ければ大きくなる。伸長時はその反対。
- 負荷-伸展:他動的に伸長すると静止張力が増大していく。
これはいわゆる筋の長さ張力曲線というやつで確認してみましょう。
- 静止長で筋力を測定しているのがMMT
- 伸長する速さで緊張の度合いを測定しているのがModified Ashworth Scale
- 他動的に伸長したときの抵抗感を評価しているのがROMのend feel
です。
筋の収縮様態について
- 求心性収縮:収縮と関節運動が同じ方法
- 遠心性収縮:収縮と関節運動が逆方向
- 静止性収縮(等尺性収縮):関節運動を伴わない筋収縮
があります。
日常生活で表現するなら
- 動き出すアクセルの要素が求心性収縮
- 止まる、制動するブレーキの要素が遠心性収縮
- その場に留まるのが静止性収縮
と考えてください。この3つの収縮様態を適切に利用して日常生活動作を行っています。
筋力について
筋力は
- 刺激の発射頻度(時間的)
- 数(空間的)
- タイミングの一致(同期化)
によって決まります。
- 筋力:いわゆる筋出力。MMTなどで測定されるものがこれに当たります。
- 筋パワー:筋力×速さ。いわゆる瞬発的な力を表すものです。
- 筋持久力:どのくらいの時間動き続けられるか。時間の要素が入ってきたものです。
この3つを目的の動作のためにバランス良く増強することが大切です。
筋力増強について
トレーニングの3原理というものがあります。
- 過負荷の原理:最大筋力の2/3以上
- 可逆性の原理:得られた効果は行わなくなると元に戻る
- 特異性の原理:ある条件下で行われた筋力増強は同じ条件下で一番効果を発揮する
これらの原則に基づいてADLに直結するような筋力増強訓練を行うには
例えばトイレ動作時の便器から立ち上がるときに下肢の筋力低下でうまく立ち上がれない方がいたとすると、、、
- 膝関節・股関節90°以上の屈曲位で(過負荷の原理)
- ギリギリ耐えられるくらいの等尺性収縮を行い(特異性の原理)
- リハビリ時以外に病棟でもトイレでの排泄を行ってもらう。(可逆性の原理)
で行っていく必要があります。
まとめ
筋収縮について勉強してみた
- 筋の収縮は長さ、速さ、負荷量で変化する
- 筋力・筋パワー・筋持久力を目的の動作に必要なバランスで増強する
- 3原理を意識して増強方法を考える
ただ単に〇〇筋の筋力トレーニングというだけでなく、なんの目的で、どの動作時に、どういった筋力が必要なのかを意識して介入するようにしてみましょう。
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