こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
2023年1月から触診セミナーBASICコース第25期がスタートしています。
その受講生からこんな報告を受けました。
「ADL全介助、呼吸器疾患の利用者様に肩鎖関節、胸鎖関節の触診、モビライゼーションを実施致しました。実施前はSpO293〜94%、実施後は96〜97%と若干ではありますが酸素飽和度の改善を認めました。」
「呼吸補助筋の緊張が亢進し、肩甲帯の可動性が低下している寝たきりレベルの方に胸鎖乳突筋、斜角筋のリリース・肩甲帯のモビライゼーションを実施したところSpO2が89→98%まで上昇しました。」
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>>>【触診が苦手な方限定】6日で学ぶ評価・アプローチのための触診セミナーBASICコース
講習会の内容をすぐ実践して結果を出しているのはすごいな〜、と思います。でもここで一つ気になる点がありませんか?
呼吸器疾患の方で、なぜ、関節モビライゼーションで状態が変化するのか?
関節モビライゼーションでは呼吸器疾患そのものには介入できませんし、疾患自体が良くなるには時間がかかります。関節モビライゼーションで即時効果が出るということは疾患の原因以外に機能障害を起こす原因があるということです。一体それはなんなんでしょうか?
病気や怪我をすると、、、
病気や怪我をした時、まず最初にすることといえば「安静」です。程度の違いはありますが、発症や受傷前より確実に活動量が低下します。
活動量が低下するということはその分、「廃用」が進むということです。
この「廃用」が疾患以外で機能障害を起こしている原因です。
麻痺で動かないのか? それとも廃用で動かないのか?
例えば脳血管疾患の方を担当していたとします。その方がBRSでⅢだった場合、
- 麻痺が原因で分離ができない
- 活動量低下による廃用が原因で分離ができない
の2つの原因が考えられます。
呼吸器疾患でSPO2が低下しているのか? 廃用でSPO2が低下しているのか?
最初の報告でもあったようにSPO2が低下している場合でも、
- 呼吸器疾患が原因で低下している
- 活動量低下による廃用が原因で低下している
の2つの原因が考えられます。
冒頭で紹介した報告で考えると、関節モビライゼーションで即時的に変化が見られているので、「変化が出た分は活動量低下による廃用が原因で低下している」と考えれらます。
どうやって評価するか?
では、
- 疾患の原因
- 廃用が原因
を評価するにはどうしたらいいでしょうか? ヒントは冒頭の報告に隠されています。
評価する方法は、筋骨格系に対して介入してみることです。
冒頭の報告では関節モビライゼーションを行っていましたが、他にも筋のリラクゼーションや血流の改善、自動運動などで廃用を起こしている筋・骨格系に介入してみます。そこで即時効果があればその変化は廃用によるもの、変化が出ない部分は筋力低下または疾患による原因になります。
なぜ、分けて考える必要があるのか?
疾患の原因と廃用の原因を分けて考えるのはこの2つの原因に対する介入法ほうが根本的に異なるからです。
疾患に対する介入は基本的に医師が行います。そしてそれは投薬や安静など時間の経過とともに回復していくものです。
反対に廃用は時間が経過すればするほど悪化していきます。疾患の治療に必要な安静度を考慮した上で、活動量を上げる必要があります。
なのでこの2つは分けて考える必要があります。
みなさんも目の前の対象者の動作ができない原因として、疾患によるもの、廃用によるものを分けて考えるようにしてみてください。
まとめ
その機能障害は疾患が原因? それとも、、、 介入のために知っておきたいもう一つの原因
- 疾患が原因の場合と、廃用が原因の場合がある
- 筋骨格系に介入して変化があるものは廃用が原因
- 疾患と廃用を分けて考えるのは根本的に介入法が違うから
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