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今回は私が実際に臨床で行なっている「骨盤前傾を促すためのアクティビティ」をお伝えしていきたいと思います。
この方法が正解というわけではなく、あくまでも一つの選択肢です。
みなさんならどうするのか、考えながら臨床でアクティビティを行いましょう。
以前の関連記事はこちら↓
前回のところで、上肢で手すりを引っ張り立ち上がりが出来ない例を挙げました。この原因として、体幹の屈曲・骨盤の後傾により前方重心になれないことが考えられます。
この場合、体幹の伸展・骨盤の前傾を促したいですよね。
そんなアクティビティを考えていきましょう。
骨盤前傾をするための筋には腸腰筋、多裂筋があります。
これらの筋力があるかどうかなども確認する必要があります。
アクティビティのポイント
骨盤前傾するアクティビティではなく、どのような環境設定にて骨盤前傾することができるのか?を考えることがポイントです。
私は臨床でこのような方にお会いした場合は、自主訓練でアクティビティを実施していました。
その時の環境設定のポイントが「机の高さ」です。
昇降式のテーブルがあればそれを使用し、なければ台を乗せることで代用します。
机の高さが低いと、骨盤後傾・体幹屈曲していても作業ができます。しかし、机を高めにするとその姿勢では作業しづらいので、骨盤前傾して体幹が伸展してきます。
具体的なアクティビティ例
アクティビティでは、この骨盤後傾・体幹屈曲の姿勢と、骨盤前傾・体幹伸展の姿勢を繰り返し行うように促していきます。
例えば、椅子の横に置いてあるペグを取って、机の上にあるペグボードに挿します。または、椅子の横にちぎり絵の紙を置き、机の上にある台紙に貼ります。
このようなアクティビティを行うことで、骨盤後傾・体幹屈曲と骨盤前傾・体幹伸展を繰り返し行うことができます。
この骨盤前後傾の動きが何に役立つかというと、立ち上がりの第1相です。
なので、このアクティビティをやることで立ち上がりのときの骨盤前傾・体幹伸展を促すことができ、結果として前方重心にもっていきやすくなるため、立ち上がり動作は改善します。
このように、環境設定をしていきましょう。
他に相手がいる場合には、トランプなどでも可能です。その場合は対人距離(物理的な距離)を考えていきます。骨盤前傾・体幹伸展が出る位置はどこか考えながらやっていきます。
机の高さについて質問をいただくことがありますが、これは人によって異なります。その方が骨盤前傾・体幹伸展しやすい高さをみつけましょう。
まとめ
骨盤前傾を促すためのアクティビティ
1. 骨盤前傾するアクティビティではなく、どのような環境設定にて骨盤前傾がすることができるのか?を考える。
2. 机の高さを調整し、椅子の横に置いてあるものを取って机の上で作業するアクティビティをすることで骨盤前後傾を繰り返すことができる。
3. 骨盤前後傾を繰り返し行えるアクティビティを行うことで立ち上がりの第1相につながる。
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