毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日もアクティビティについてお伝えしていきます。
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前回までのところでは、骨盤前傾ができないことで立ち上がれない場合についてお話ししてきました。
今回は、骨盤前傾はできてきているが離殿ができない状態の方について見ていきたいと思います。
なぜ離殿できないのか?
なぜ離殿できないのかを考えていきましょう。
このイラストを見ていただくと、腰椎が伸展していません。
また、骨盤を前傾すると股関節は屈曲してきますが、離殿の瞬間に股関節は伸展に切り替わらなければなりません。離殿がうまくできない方は、この屈曲から伸展に切り替えることができていない場合が多いです。
股関節屈曲から伸展に切り替えるときに使う筋肉はなんでしょう?
また、それを促すためにどのような環境設定でアクティビティを行うと良いでしょうか?
離殿のメカニズムとは?
立ち上がりの第1相についてみていきましょう。
まず、骨盤が前傾してくることにより前方移動への力が股関節に働きます。このとき、大臀筋の作用により股関節屈曲方向の運動にブレーキがかかります。すると、慣性の法則により回転軸が膝関節に伝達され、膝関節が伸展することで離殿します。
なので、ここでは大臀筋が大事になってきます。
また、離殿した後の下肢の支持性を担当している筋肉に大腿四頭筋があります。しかし、大腿四頭筋が単独で収縮してしまうと、下腿も回転してしまうため後方重心になってしまいます。
これを防ぐために前脛骨筋の働きが非常に重要です。前脛骨筋が下腿の前傾を支持していることで、下腿が回転することなく大腿四頭筋にて下肢の支持が可能になります。大腿四頭筋と前脛骨筋が両方働くことで、離殿後の中腰の姿勢が保てます。
大腿四頭筋、前脛骨筋、大臀筋が筋力・機能的に問題がないかを評価します。問題がなければ、動作に反映させていくためにアクティビティを行なっていきましょう。
以前もお話ししましたが、機能を改善するだけでは動作は改善しません。
離殿のためのアクティビティとは?
骨盤前傾し離殿を促すためにはどのような環境設定でアクティビティを行うと良いでしょうか?
机の高さをあえて低くして、何かものを取ろうとすると離殿しますよね。そのままそこで何か作業をしてもらうと中腰になるので大腿四頭筋が働いている状態になります。
例えば机の上で作業したものを椅子の横に置く、というアクティビティを繰り返すことで、離殿して中腰で作業するという動作を繰り返し行うことができます。
腰椎伸展をもっと促したい場合、2段階に分けてみましょう。
離殿が安定してきたら、物の位置を少し遠くにします。そうするとリーチをしなければならないので、腰椎の伸展をさらに促すことができます。
まとめ
立ち上がりとアクティビティ
1. 離殿のとき股関節が屈曲から伸展に切り替わらなければならず、その時に大臀筋が重要である。
2. 離殿をした後の下肢の支持性には大腿四頭筋と前脛骨筋が大きく関与している。
3. 机の高さを低く設定したところでアクティビティを行うことで離殿を促すことができる。また、物の位置を少し遠くにすることで、リーチを促すことができるため、腰椎の伸展をさらに促すことができる。
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