こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
本日は中心性脊髄損傷についてお話していきたいと思います。
中心性脊髄損傷の概要と重要性
中心性脊髄損傷(Central Cord Syndrome, CCS)は、主に頸髄の脊髄損傷によって引き起こされる神経学的症候群であり、通常、上肢に比べて下肢の運動能力がより保存されている特徴を持っています。
この損傷は、しばしば頸椎の骨折や脊柱管狭窄症に関連しており、高齢者や先天性脊椎異常を持つ方に多いです。
のちに詳しくお伝えしますが、脊髄損傷には不全損傷と完全損傷があり、それによりリハビリの内容は変わってきます。不全損傷であれば、ある程度回復の見込みがあるので積極的なリハビリをおこなう必要があります。完全損傷の場合は大きな機能的な変化は見込めないので、環境因子や個人因子といった周りの環境を整えることや、残存機能をどのように使っていくかという点がリハビリでのポイントとなってきます。
上肢に比べて下肢の運動能力がより保存されやすいのは、脊髄の中にある神経線維が、頸椎の方は上肢の神経の方が多いので、頸髄の損傷や脊柱管狭窄症などを患ってしまうと、上肢の損傷の方が大きくなるからです。
病態について
CCSは、先程もお伝えしましたが、脊髄の中央部が損傷される神経学的症候群です。
「症候群」なので様々な症状が出てきやすく、損傷の程度によっても変わるということを頭に入れておくと良いでしょう。上肢の運動機能や感覚機能が低下することがポイントです。
発生メカニズムについて
CCSの発生のメカニズムには、外傷、脊椎の変性、血流障害があります。
外傷によるものは、頸椎の急激な伸展や屈曲によって発生します。事故や落下による頭部の衝撃が神経組織の損傷を引き起こす原因になります。脊椎の変性によるものは、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどにより脊髄への圧迫が加わり神経組織の損傷を引き起こします。
また、血流障害によって脊髄の血管が圧迫されたり血栓が形成されたりすることによって損傷が起こる可能性があります。
損傷の程度について
CCSの重症度は、神経組織の損傷の程度と脊髄の圧迫の程度に依存します。重症の場合は、上肢だけでなく下肢の方にも運動や感覚の障害が発生する可能性があります。
解剖学的および生理学的影響について
CCSが起こると、神経伝達の障害が起き、運動および感覚の機能障害が発生します。特に上肢の筋力低下や感覚喪失を引き起こす可能性があります。
さらに、炎症および二次的損傷として、脊髄損傷は周囲の組織に炎症を引き起こし、さらなる神経損傷を引き起こす可能性があります。なので、早期発見・早期治療が大切です。CCSは高齢者に多発するので、尻餅をついたり首が過伸展してしまったりなど、なにかあったときはすぐに診察を勧めることで早期発見や早期治療をすることができます。
次回はCCSの症状についてお話ししていきます。
まとめ
中心性脊髄損傷のリハビリテーション:初学者のための実践的アプローチ〜概要〜
1. 中心性脊髄損傷(Central Cord Syndrome, CCS)は、主に頸髄の脊髄損傷によって引き起こされる神経学的症候群である。
2. CCSでは上肢の運動機能・感覚機能の障害が起こりやすい。
3. CCSは外傷、脊椎の変性、血流障害などによって引き起こされる。
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