理学療法士・作業療法士の皆さん、こんにちは!
毎週月曜日は、リハコヤで過去にライブ配信された内容から、特に役立つ情報をピックアップしてお届けします。
今回は、臨床でよく遭遇する「褥瘡」について、その基礎知識をわかりやすく解説します。褥瘡予防は、患者さんのQOLを大きく左右する重要な課題です。ぜひ、日々の臨床にお役立てください。
褥瘡(床ずれ)とは?【理学療法士・作業療法士向け 基礎知識】
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褥瘡とは、寝たきりなどで体圧が集中し、血流が悪くなることで皮膚が損傷する状態です。一般的には「床ずれ」として知られています。放置すると感染症を引き起こす可能性もあるため、適切な予防とケアが不可欠です。
褥瘡の好発部位:リスクを知って早期発見!
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褥瘡は、骨が突出していて皮下組織が少ない部位に発生しやすい傾向があります。具体的には、以下の部位が挙げられます。
- 後頭部
- 肩甲部
- 仙骨部
- かかと
- 耳
- 肩
- 肘
- 腸骨
- 膝
- くるぶし
これらの部位を定期的に観察し、早期発見に努めましょう。
褥瘡発生の4大要因:予防の鍵はここに!
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褥瘡発生には、以下の4つの要因が複雑に関与しています。
- 栄養状態: 低栄養状態は皮膚の脆弱性を高めます。
- 皮膚の脆弱性: 加齢や疾患により皮膚が弱くなっている場合。
- 圧迫: 長時間同じ部位が圧迫されることで血流が阻害されます。
- 剪断力: 体圧がかかった状態で体がずれることで、皮膚と組織に摩擦が生じます。
特に重要なのは、4つ目の「剪断力」です。
剪断力とは、簡単に言うと「ずれ」のこと。ベッド上で体位変換やポジショニングを行う際に、このずれが生じやすくなります。
褥瘡予防の要:圧抜き(背抜き)の技術
剪断力を軽減するために、ポジショニング後の「圧抜き(背抜き)」が非常に重要です。
圧抜きの具体的な方法:
- ポジショニング後、身体と接しているクッションやベッドを一度圧迫します。
- 圧迫した状態からゆっくりとクッションやベッドを身体から離し、元の状態に戻します。
この方法により、クッションやベッドとの間に生じる剪断力が解消され、身体が優しく包み込まれるような状態になります。30°側臥位の場合も、仙骨方向にずれが生じやすいため、同様に圧抜きを行いましょう。
褥瘡のリスク:なぜ予防が重要なのか?
褥瘡を放置すると、感染症のリスクが高まり、最悪の場合、敗血症から死に至ることもあります。患者さんのQOLを著しく低下させるだけでなく、生命に関わる重大な問題に発展する可能性があるため、褥瘡予防は徹底して行う必要があります。
まとめ:褥瘡予防の3つのポイント
褥瘡予防の基礎知識をまとめると、以下の3つのポイントが重要です。
- 褥瘡とは: 体圧による血流阻害で皮膚が損傷する状態。感染症リスクも伴うため、予防が重要。
- 好発部位: 皮下組織の少ない骨突出部位を定期的に観察。
- 褥瘡の条件: 栄養状態、皮膚の脆弱性、圧迫、そして「剪断力」。圧抜き(背抜き)で剪断力を軽減!
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参考動画:褥瘡予防に関するYouTubeプレイリスト
褥瘡予防に関する知識をさらに深めるために、関連動画をまとめたYouTubeプレイリストもご活用ください。