認知症がある人と関わる際の触れることへの重要性について from リハコヤ

認知症がある人と関わる際の触れることへの重要性について from リハコヤ

毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。

 

 

本日は、認知症がある人と関わる際の触れることへの重要性についてお伝えしていきます。

 

皆さんは臨床で、認知症がある患者さんや利用者さんと関わるとき、その方の身体に触れることはありますか?

 

 

バリデーション(Validation)テクニックとは?

 

認知症がある方とコミュニケーションを取るための方法のひとつとして、バリデーションというものがあります。

バリデーションにはリフレージング(反復)やオープンクエスチョン、アイコンタクトなどがあります。

 

 

本日紹介するのは「アンカードタッチ」です。

アンカードタッチは、目的を持って対象者に触れる、ということです。優しく触れてスキンシップを取りながら感情に寄り添うことがポイントです。

 

 

触れることへの重要性とは?

 

コミュニケーションを取る際に相手に触れることで良い変化をもたらすという科学的根拠はあるのでしょうか?

 

 

ストレスがかかると分泌されるコルチゾールという物質がありますが、触れることによってコルチゾールの分泌が減少したという研究があります。

 

 

均一に柔らかく、しっかり、ゆっくりと同一の動きで皮膚に触れることで、皮膚の接触受容体を刺激します。

これを10分以上続けることで、脳下垂体からオキシトシンが分泌され、全体に行き渡ることで鎮静化の作用があります。

 

 

また、オキシトシンが分泌されることによって、ストレス中枢であるノルアドレナリンを抑制したり、背側縫線核にあるセロトニン中枢を刺激しセロトニンが分泌され、記憶に関わるアセチルコリンの分泌を調整したりするという利点もあります。

 

 

どこから触れるべきか?

 

ここまでで、触れることが様々な良い変化をもたらすということは理解していただけたと思いますが、実際に患者さん・利用者さんに触れる際には、どこから触れるのが良いのでしょうか?

 

 

ペンフィールドのホムンクルスを思い浮かべてみてください。脳の支配領域の狭い箇所から触れていくことが良いとされています。

例えば、上肢で言えば肩→腕→手の順で触れていくと良いでしょう。

 

ぜひ明日からの臨床に活かしてみてください。

 

 

まとめ

 

認知症がある人と関わる際の触れることへの重要性について

1. 認知症がある方とコミュニケーションを取るための方法のひとつとして、バリデーションのアンカードタッチがある。これは目的を持って対象者に触れる、ということである。

2. 触れることによってコルチゾールの分泌が減少しストレスが軽減し、さらに10分以上触れて皮膚の接触受容体を刺激することで脳下垂体からオキシトシンが分泌され鎮静化作用もある。オキシトシンの分泌によってノルアドレナリンを抑制したり、セロトニン中枢を刺激しセロトニンが分泌されると記憶に関わるアセチルコリンの分泌を調整したりするという利点もある。

3. 触れる際は脳の支配領域の狭い箇所から触れる。

 

 

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