股関節疾患に対する歩行分析

股関節疾患に対する歩行分析

みなさん、こんにちは!
クリニック勤務、理学療法士の林です。

みなさんは股関節疾患を有している患者さん、利用者は担当していますか?
担当している場合、歩行分析はどう行いますか?

私が昔行っていたのは、
「立脚初期での股関節屈曲の程度」
「遊脚期での躓きの有無」
「立脚後期での骨盤の回旋程度」
を分析していました。

しかし、なかなか歩行に変化はありませんでした。
患者さん、利用者からも
「なかなか上手く歩けないね」
「歩いていると太ももが痛むよ」
「手術したのに杖がいつまでも手放せないよ」
などと言われて悔しかった思い出があります。

確かに歩行分析はリハビリを行う上ではとっても大切です。
ただ、
・歩行時にどこをみればいいのだろうか?
・トレンデレンブルグ歩行だけど何をすればいいの?
・とりあえず歩けてるけど何かする必要があるの?
そんなことに悩みました。

今回は股関節疾患をお持ちの患者さん、利用者さんの状態を変化させるために
「歩行分析」に注目した2つのポイントをご紹介したいと思います。

  1. 股関節疾患の歩行分析を行う前に
  2. 股関節疾患の歩行分析ー矢状面での方法
  3. 股関節疾患の歩行分析ー前額面での方法
  4. 股関節疾患の歩行分析のまとめ

股関節疾患の歩行分析を行う前に


股関節疾患の歩行分析を行う上でまず大事なことがあります!
それは、
【歩いて何がしたいか?】です。

例えば、

  • 1人で自宅から20分先にあるスーパーで買い物がしたい
  • 自宅のベッドからトイレまで自分で行きたい
  • 補助具を使用しないで旅行に行きたい

など「歩いて何をしたいか?」があることで必要な歩行の能力がきまります。
必ずチェックしてみてくださいね!

股関節疾患の歩行分析ー矢状面での方法

立脚初期・踵接地
歩行分析のポイントは
ズバリ

【立脚後期】

を観察することになります!
理由は歩行の目的は重心を目的の方向に移動させることです。そして重心を目的の方向に移動するのに重要なのが立脚中期から立脚後期の間です。この間に股関節の伸展がスムーズに出ているかどうかを見ることで効率的かどうかが分かります。

それでもよく分からない患者さん、利用者さんも居ると思います。
そんな時は前額面で他の動きもみていくことをオススメします。

股関節疾患の歩行分析ー前額面での方法

前額面では骨盤の傾斜をみていくことが必要となってきます。
これは俗に言う「トレンデレンブルグ様歩行」「デュシャンヌ様歩行」の状態を指します。

通常の歩行では骨盤は水平位を保たれています。
骨盤の傾斜がみられる場合は何かしらの機能不全が生じている可能性があります。

右股関節を例にすると

右立脚中期で骨盤が対側へ傾斜(トレンデレンブルグ歩行)

立脚中期が安定しない

右立脚中期~後期へ移行しにくい(股関節伸展の不足)

となっていきます。

立脚中期が形成されずに立脚後期へ移行すると効率の悪い歩行になる可能性があります。
以上の「股関節」「骨盤」を意識して歩行分析を行って診るとポイントが明確になってきませんか?

股関節疾患の歩行分析のまとめ

股関節疾患の対象者の歩行分析のポイントは

  1. 歩いて何がしたいかを確認する
  2. 矢上面では立脚後期の股関節の伸展に着目する
  3. 前額面では立脚中期の骨盤の安定性に着目する

そして歩行分析する上でランドマークとなるポイントは
「大転子」「大腿骨頭」「腸骨稜」「上前腸骨棘」「上後腸骨棘」です。
この部位を触診できるようにしておきましょう。

患者さん、利用者さんの目的や希望に合わせて明日から歩行分析をしていきましょう!

実際にどんなことをやるのかご興味のある療法士はこちらをオススメします!
>>>【1単位 20分で変化を出す】 股関節疾患に対する評価とアプローチ<<<

療法士活性化委員会
認定インストラクター 林凌磨

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