毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!
第55回理学療法士国家試験 午前 第17問
問17 55歳の女性。8年前に多発性硬化症と診断され、再発や寛解を繰り返し2回の入院歴がある。現在は症状が落ち着いており、訪問理学療法で屋外歩行練習が実施されている。その際、理学療法士は運動強度を軽度から中等度とし、かつ、外気温高い時間帯を避けて実施するなどに留意している。この理由として関係するのはどれか。
- Barré徴
- Horner徴候
- Lhermitte徴候
- Tinel徴候
- Uhthoff徴候
解答
5
解説
多発性硬化症(MS)とは?
脳や脊髄、視神経などの中枢神経に障害が起こる脱髄疾患。症状の寛解と再発を繰りします。何らかの影響でミエリン鞘が障害(脱髄)され、神経伝達が阻害されます。
主な症状
- 視力障害、複視
- 小脳失調
- 四肢の麻痺(単麻痺、対麻痺、片麻痺)
- 感覚障害
- 膀胱直腸障害
- 歩行障害
- 有痛性強直性痙攣
特徴的症状
- Lhermitte徴候:頸部を前屈すると背中を電撃痛が走る
- Uhthoff現象:体温が上昇による症状の一時的悪化
問題文の「外気温の高い時間帯を避けて実施する」はUhthoff現象に対する留意点なので答えは5となります。
ちなみに
- Barré徴候:上肢や下肢に軽度の運動麻痺がある場合に現れる徴候。
- Horner徴候:交感神経遠心路の障害によって生じる,中等度縮瞳,眼瞼下垂(眼裂狭小),眼球陥凹(眼球後退)を三大徴候(Horner’s triad)とする症候群。 眼の徴候以外では,顔面の発汗低下と紅潮が特徴。
- Tinel徴候:末梢神経の損傷部位を軽く叩くと、痛みがその神経の支配領域に放散する現象。正中神経の障害の評価に用いられる。
これを臨床で活かすには?
多発性硬化症は症状悪化時と寛解時の差が著しい疾患でADLも悪化時と寛解時で全く異なります。どちらかだけの状態で判断せずに悪化時、寛解時の両方の状態を加味した環境設定や指導を行っていきましょう。
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