毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
前回「集団療法で社会性を作るには?また認知症の方やその予防についてどうしたらいいか教えてください」という質問をいただきましたので今回は集団療法についてお伝えしていきます。
目的
その集団がどういった目的でやるのかを明確にしましょう。
- 身体面の維持・向上が目的なのか?
- 認知面の訓練なのか?
この目的をしっかり分けてください。
集団だからといって体操をして歌を歌って終わりとしてしまうと効果は期待できません。
身体面であれば下肢や体幹の運動を行ってください。
今回は認知面を目的とした集団に対して解説してきます。
メンバー(属性、レベル)
人と集団という本があります。この本にも紹介されていますが、集団に参加するメンバーの属性(出身地など)とレベル(身体機能や認知機能)が統一されていると集団ができやすいです。なるべく属性・レベルが近いメンバーを集めるようにしましょう。
山根 寛 ひとと集団・場【新版】治療や援助、支援における場と集団のもちい方 三輪書店; 新(第3)版 (2018/1/24)
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社会性を作る
メンバーの属性・レベルが統一されているとコミュニティが形成されやすくなります。そこでポイントとなるのが集団の形式です。
- クローズド:メンバーが決まっていて、メンバー外は参加できない
- セミクローズド:メンバーは決まっているが、メンバー以外の出入りも可
- オープン:メンバーを定めず、誰が参加しても退出してもオッケー
の3つがあります。
社会性を作るにはクローズの集団を活用していました。
クローズのメンバーの中で役割を持っていただき、コミュニティを形成していました。
認知の低下予防には?
認知面に対してこの方法を行うと予防できるというものは存在しません。予防に関してそのメンバーの属性・レベルを評価してどのレベルの設定で行うのが認知の予防につながるのかを考えることが必要になります。
例えば
同じ歌唱の集団療法を行うとしても
認知レベルが低い集団にはこちらで歌の選定、歌詞カードの用意、曲の用意などできる所まではこちらで用意する。
認知レベルが高い集団には、歌の選定、歌詞カードの用意、曲の用意などをできる所まで自分たちで用意していただく。
といった形で相手のレベルに合わせて課題を設定して集団療法を行うことで認知面に対する介入につながります。
まとめ
集団療法の構成についてについて
- 目的を明確にする
- 集団の属性を統一し、クローズのコミュニティを作る
- 集団のレベルに合わせて課題を設定する
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