こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
今回は国家試験で一番後回しにしたであろう発達のことについてお伝えしていきます。発達は小児の疾患でしか必要ないかと思っている方がほとんどだと思いますが、実は生涯続くもので、成人のリハビリでも十分利用できるものになります。それではお伝えしてきます。
発達とは
分化(specialization)と統合(integration)が繰り返されて 進展し、相互作用をもって、特定の方向に向かう変化である。
生物学的構造や機能が、分化、多様化、複雑化していく過程で、潜在している機能が時間と共にその姿を現し、経験、練習、訓練、教育などによる学習が加わった現象である。「精神を中心として構造や機能が育つ」ことといえる。
福田恵美子 編集 コメディカルのための専門基礎分野テキスト 人間発達学 改訂4版 p3-4 中外医学社 2017.
発達は成長の過程で止まるものではなく、生涯継続して起こり続ける適応であるということです。大事なことはそもそも機能は潜在的に備わってきて、環境に伴う学習によって顕在化されたものいうことです。
発達の基本原則
発達には基本原則があり、以下のようなものがあります。
- 順序性
脊髄→脳幹→大脳辺縁系→大脳皮質
反射→反応→随意運動
定頸→寝返り→ハイハイ→座位→つかまり立ち→立位→歩行 - 方向性
頭側→尾側
中枢→末梢
粗大運動→微細運動 - 連続性・不連続性
一生続く、次のステージに進む - 速度の多様性
スキャモンの発育曲線
この基本原則から外れた部分は代償によって獲得していきます。
この基本原則に合わせてリハビリで運動の負荷量を決定してくとスムーズに行うことができます。
背臥位について
背臥位の特徴は以下の通りです。
- 支持規定面:広い
- 胎児期:屈曲優位 → 伸展を獲得していく必要がある
- 姿勢の安定性:高い → 目と手の協調に基づく到達運動(リーチ)のコントロール
- キッキング・ボトムリフト:下肢の運動のコントロール
- 床面に対する接触:触覚の過敏を減少
- 寝返り:知覚の変化
- 手で足を掴む:身体知覚
- 対象物を見る:固定視、追視、上肢の到達運動(リーチ)
- 手を合わせる:空間性、正中線
背臥位では屈曲優位だった体が重力によって伸展し、広い支持規定面で体幹の安定性を確保できた状態で、上肢や下肢のコントロールを行えるようにしてきます。
また物体をみるための固定肢、見たものを追う追視などの眼球運動や、そこに手を伸ばすといったリーチ動作で目とての協調性、手を合わせることでの空間性や正中線を認識していきます。
もし、自身が担当している対象者が、上記の動作を獲得したい場合は背がいでの訓練を選択肢の一つに加えてみましょう。
まとめ
発達について 〜基本と背臥位〜
- 機能は潜在的に備わっていて、環境と学習で発露される
- 基本原則が重要でそこを外れると代償で行う
- 背臥位は体幹の安定性が確保され、上肢、下肢、頭部、眼球運動などが促通される
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