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本日は股関節骨折後の歩行補助具についてお話ししていきたいと思います。
股関節骨折後の歩行補助具の判断の仕方は?
海外の論文で、股関節骨折後に杖歩行にするか自立歩行にするかをどのように判断するかについて述べられているものがあります。
以前私は、タンデム肢位で20秒保持できるか、片脚立位で20秒保持できるかなどで判断しているとお話ししましたが、その論文はBBSを使用するものなので、回復期などでBBSを普段から使用している方は活用しやすいと思います。
論文はこちら↓
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35132914/
この論文の中で、BBSの合計点数が45.5〜51.5点であれば杖を使用せず独歩が可能であると述べています。私の場合は50点を目安に判断しています。
BBSの小項目と歩行補助具選定との相関
さらに詳しくみていくと、BBSの「360°方向転換」の項目と杖の使用・不使用の判断には相関があり、4点取れれば杖不使用、4点未満であれば杖使用と判断することができると述べられています。
杖の使用の有無に悩んだときには、360°方向転換の項目を確認し、4点とれるかどうかを見ていただくと判断することができます。
また、歩行補助具を杖にするか歩行器にするかを決めるには、「踏み台昇降」の項目が2点以上か2点未満かで分けることができます。
これは、歩行器使用での歩行が安定してきて杖歩行にするか悩んだときのひとつの判断基準になります。
これはあくまでも股関節骨折後のカットオフ値です。他の疾患では対象外となりますので注意してください。
また、ここでバランスが低下しているからといって、すぐにバランス訓練をしないように注意しましょう。バランスを取るためには何が必要なのかを抽出し、それらをすべて評価し、仮説→検証を繰り返していきましょう。
まとめ
股関節骨折後の歩行補助具
1. 股関節骨折後の歩行補助具の選定とBBSの小項目には相関がある。
2. 杖の使用の有無については「360°方向転換」、杖使用か歩行器使用かの判断には「踏み台昇降」の項目の点数をみる。
3. バランスが低下している場合、バランスを取るために何が必要なのかを抽出し、仮説と検証を繰り返す。
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