毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日はコレステロールをコントロールする方法についてお伝えします。
患者さん・利用者さんの血液データをみたときに、よくコレステロール値について質問される療法士も多いと思います。
栄養面は管理栄養士の役割ですので、療法士は運動面をお伝えしましょう。
コレステロール値が高い方に対して運動しましょうとアドバイスすることもあると思いますが、なぜコレステロール値が高いと運動をするのが良いのでしょうか?
本日はこちらのコラムに沿ってお伝えします。
コレステロールとは?
コレステロールとは、人間の体に存在する脂質のひとつです。コレステロール自体は細胞膜・各種ホルモン・胆汁酸を作る材料となり、体に必要な物質です。
コレステロールにはたんぱく質などと結合しリポタンパク質として血液中に溶け込んでいるコレステロールがあります。リポタンパク質には、肝臓のコレステロールを体全体に運ぶ役割を持つLDL(悪玉コレステロール)と、体内の血管壁にたまったコレステロールを肝臓に運ぶ役割を持つHDL(善玉コレステロール)があります。
このふたつのコレステロールのバランスが崩れて、血液中のコレステロールが過剰となるのが、脂質異常症と呼ばれる状態です。反対にコレステロールが不足した場合は免疫機能の低下を招いてしまうため、コレステロールのバランスが大切です。
コレステロールと運動の関係性とは?
有酸素運動が血中脂質レベルを改善させる機序として、筋のリポプロテインリパーゼ活性が増大し、トリアシルグリセロール(血中カイロミクロン・VLDL
・LDL)の分解を促進させることにより、HDLを増やすことが関与していると考えられています。
つまり、運動することでHDLとLDLのコントロールが可能になると考えられています。
どの程度の運動が必要なのか?
運動の強度は中強度以上が推奨されています。
中等度以上の運動とは3METs以上の強度であり、ボルグスケールでは11〜13程度です。これは通常速度のウォーキングに相当します。そのため、通常の歩行もしくは少しきついかなと感じる程度の歩行が望ましいと言えます。
どのくらいの頻度の運動が必要なのか?
HDLコレステロールを増加させることができる運動・身体活動の最低条件として、1週間に合計120分間の運動を行うか1週間に合計900kcalのエネルギーを消費する身体活動を行わなければなりません。
つまり、一日に60分運動を行えるのであれば週2日、一日に30分であれば週4日程度の運動が必要になります。
このように、根拠を持って説明することで患者さん・利用者さんの行動変容にも関わります。ぜひ臨床に活かしてみてください。
まとめ
コレステロールをコントロールする方法について
1. コレステロールとは人間の体に存在する脂質のひとつであり、体に必要不可欠な物質であるが、LDL(悪玉コレステロール)とHDL(善玉コレステロール)のバランスが大切である。
2. HDLとLDLのコントロールは運動によって可能である。
3. 中強度で1週間に約120分の運動が必要である。
オンラインコミュニティ『リハコヤ』では、毎週2回こう言った内容をライブ配信しています。興味がある方はぜひお越しください。
↓ ↓ ↓
リハビリで悩む療法士のためのオンラインコミュニティ「リハコヤ」