毎週月曜日は一年前にリハコヤでライブ配信されたものの一部を文章でお届けします。
本日は、変形性膝関節症の歩行訓練のポイントについてお伝えしていきます。
変形性膝関節症とは

変形性膝関節症とは、膝関節の関節表面の軟骨のすり減りや半月板の変性・断裂により、関節内に炎症が起きたり、関節が変形したりして痛みが生じる病気のことです。
大腿脛骨角(FTA:Femoral Tibial Angle)とは?

大腿脛骨角(FTA:Femoral Tibial Angle)とは、大腿骨軸と脛骨軸がなす角度のことで、正常な膝ではFTAは175°前後です。
このFTAが180°以上になると内反膝(O脚)、175°以下になると外反膝(X脚)と言われます。
変形性膝関節症の介入ポイントとは?

変形性膝関節症の患者さん・利用者さんを担当する際の介入のポイントは、
・膝関節の可動域訓練
・股関節の伸展、内旋の可動域訓練
・足部の可動域訓練
・ハムストリングス、腓腹筋の筋力訓練
・大臀筋の筋力訓練
・足部安定性へのアプローチ
・動作訓練
以上は一例であり、すべて実施すれば良いというわけではありません。必ず評価を行い、その方に合った内容でリハビリを実施していきます。
変形性膝関節症の動作訓練のポイントとは?
臨床で動作訓練を行う際、まずは動作を見ると思います。
その際のポイントがこちらです。

・ニーイン・トゥアウト(膝が内側に入ってつま先が外側を向く)
・ニーアウト・トゥイン(膝が外側を向いてつま先が内側を向く)
立ち上がりの動作訓練の際に、これらのポイントに注目して指導することは多いと思いますが、歩行時にも注目できているでしょうか?
歩行訓練の際には、「つま先を上げて」「踵からついて」というような声かけが多くなっていませんか?
ニーイン・トゥアウトまたはニーアウト・トゥインが起きていると、どんなにアプローチしていても膝に痛みが出現します。
それは、膝に捻れが生じることによって、膝にメカニカルストレスがかかっているからです。
歩行訓練時に「膝とつま先が同じ方向を向くように」とアドバイスすることで、ニーイン・トゥアウトまたはニーアウト・トゥインを防ぐことができます。
「膝とつま先が同じ方向を向くように」歩くことが難しい場合は、2本の直線を用意し、2直線上を歩くように指導してみてください。
ニーイン・トゥアウトまたはニーアウト・トゥインを矯正することで、膝にかかるメカニカルストレスが軽減し、痛みが出にくくなります。
ぜひ明日からの臨床に活かしてみてください。
まとめ
変形性膝関節症の歩行指導のポイント
1. 大腿脛骨角(FTA:Femoral Tibial Angle)の正常値は175°前後であり、180°以上になると内反膝(O脚)、175°以下になると外反膝(X脚)である。
2. 歩行時にニーイン・トゥアウトまたはニーアウト・トゥインとなっていると、膝にメカニカルストレスがかかってしまい、膝関節痛の原因となる。
3. 歩行訓練時に「膝とつま先が同じ方向を向くように」とアドバイスすることで、ニーイン・トゥアウトまたはニーアウト・トゥインを防ぐことができる。
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