みなさん、こんにちは
療活の林です。
前回はリスク管理についてでしたね。
今回は第3段のリハビリ時期についてです。
リハビリ時期の大事な点は3つ
1.急性期
2.回復期
3.生活期
です。
急性期について
合併症の注意が一番大切になります。
臥床時間は近年の手術技術の進歩により、早期荷重が可能になってきています。
高齢者の場合は合併症の管理のために臥床時間が長くなってしまう事があると思います。
リハビリ中の合併症では、脂肪塞栓症候群(fat embolism syndrome:FES)や
肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)を注意する必要があります。
FESやPTEは呼吸苦や胸部不快感などの訴えることがあります。
PTE発生率は2年間に発症した81例中、大腿骨頸部骨折が24例(29.6%)と最も多く、大腿骨骨幹部骨折が19例(23.5%)であった。1)より
リハビリ前に血液生化学データの確認も大切ですが、
リハビリ中に患者さんの顔色や呼吸状態を評価していくことが大切ですね。
回復期について
認知症の有無が大事になります。
画像所見や身体機能・動作能力評価も大切ですが、
そもそも患者さんにこちらの指示に対して理解力があるのかが退院後の生活を左右します。
認知症を合併している場合は、歩行以外に更衣動作や排泄動作が低下しやすい。2)より
療法士がリハビリを頑張って移動・歩行能力を改善することは大切です。
しかし、退院後の生活を想定することが回復期では求められると思います。
術前の生活、住宅環境、家族構成、介護サービスはあるのかを確認していきます。
認知症がある患者さんが実現可能なGoalなのか考えていきたいですね。
生活期について
転倒による再骨折の予防が大切になります。
転倒よる再骨折は52.6%であり、その内85%が屋内であった3)より
大腿骨頸部骨折の患者は対側の骨折リスクは54.5%が1年未満に発生していた。4)より
再骨折することで患者・利用者さんは日常生活が送れなくなります。
その結果、廃用症候群や認知症が進行する危険性があります。
療法士としては、転倒しない身体機能の改善に注目してしまうと思います。
上記は大切なことですが、自宅環境や介護程度などの外的要因もみて頂きたいと思います。
なぜなら、療法士と患者・利用者さんだけ接するのがリハビリではなく、
家族などを含めたケアが本当のリハビリなのだと私は考えるからです。
まとめ
1.急性期
2.回復期
3.生活期
リハビリ時期を理解し、「今よりも状態を悪くしない事」をしませんか。
一度きりの人生で、途中で動けなくなる人がいる
一緒に患者さん、利用者さんの人生をデザインしませんか。
とは言っても、
運動機能の改善は療法士とって一番の醍醐味でもあります。
療法士なら患者さん・利用者さんの機能改善もしたいと思います。
今回のセミナーでは、
・目的の聴取
・問題点の整理
・アプローチ
までをフローチャートを用いて実施しますので、分かりやすくなってるかと思います。
当日来られる方は楽しみにしててください。
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認定インストラクター 林 凌磨
参考文献・書籍
- 日本整形外科学会肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン改訂委員会:〔7〕本ガイドライン策定および実施方法. 日本整形外科学会静脈血栓塞栓症予防ガイドライン. 南江堂. 東京. 2008
- 対馬栄輝, 二ツ矢昌夫, 坂野昌司, 他:高齢な大腿骨近位部骨折患者における日常生活活動と知能の関係. 理療科. 20(2):2005
- 杉澤裕之. 千葉恒:大腿骨近位部骨折術後症例における自宅退院後の再転倒に関わる要因. 北海道理学療法士学術大会抄録集. 64(suppl) 2013
- 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会, 他:第10章 大腿骨頸部/転子部骨折の退院後の管理. 大腿骨頸部/転子部骨折診療ガイドライン, 南江堂, 東京, 2005
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