『正しい評価って?』

みなさんこんにちは、療活の大塚です。
療法士活性化委員会 大塚療活してる?

僕は新人の頃、症例報告をすると大抵

「評価ができていない」

と言われて、評価か〜と悩んでいました。

では正しい評価ってなんでしょうか?
そもそもなんのために評価をするのでしょうか?


評価の目的は?


まずなんのためにリハビリをするのか?を考えてみましょう。
リハビリテーションの目的は【社会復帰】です。
リハビリを受ける方は日常生活を送る上で何かしら問題があり、そこを改善して日常生活が送れるようにリハビリを受けます。
どこで日常生活を送っているかというと【社会】ですよね?
その社会の中での最小単位が家庭になります。

例えばこんな方の【社会復帰】はなんでしょうか?


60台女性、専業主婦、夫と2人暮らしで自宅での家事全般を行なっている。


この方が大腿骨頚部骨折を受傷、入院して大腿骨頭全置換術を受けた後のリハビリを想像して見てください。

この方のHOPEは受傷前の生活に戻ること。
少し具体的にしますと、

「夫がいる自宅という【社会】に専業主婦という【役割】をできる状態で【復帰】すること」

となります。

では次は専業主婦という役割をもっと具体的にしてみましょう。
専業主婦としての役割でまず思い浮かぶのは【家事】だと思います。
家事といってもたくさんあるので今回は【料理】に焦点を当ててみましょう。

料理で想像できるのは【調理動作】が思い浮かぶと思います。
食材を切る、洗う、炒める、盛り付けるなど

では調理をするのに必要な準備は何があるでしょう?


生活の中での調理動作は家の中だけでは済まない!


例えば、

  • 切るための食材はどこで調達するのか?
  • 近所のスーパーだとしたらそこまでの距離は?道のりは?(坂は?階段は?など)
  • 買った食材はどうやって持って帰るのか?(カートを使うのか?持って帰るのか?)

食材を買って帰ってきてからも

  • 玄関のドアを開けるのを荷物を持ってできるのか?
  • 調理するための包丁はもてるのか?
  • 調理する間立位を保持できるのか?

などなど、もちろん食後も食器の片付けなども必要になってきます。
これらの行程を全て可能になって初めてHOPEに合わせた【社会復帰】ができます。
***行程分析が苦手な方はこちら>>>評価の抽出法

もちろんこの全ての行程は機能障害の改善だけでは達成は難しいです。
機能的な改善が困難な場合は

  • 買い物には旦那様に運転して行ってもらう。
  • 調理時間は高めの椅子を用意して適宜座りながら行う。

などの代償が必要になります。

そこを判断するのが【評価】になります。


正しい評価って?


正しい評価は対象の方の状況によって変わります。
何を基準とするかというとその方の【社会復帰】です。
その方がどういう状態で社会復帰したいのか?そのために必要な内容を評価することが正しいというよりは【適切な評価】だと僕は思います。

僕の評価ができていなかった理由は相手が

どのように社会復帰したいか?

という目的が抜けていたので適切な評価ができていませんでした。

評価で悩んでいるときはまず相手の方が

どのような状態で社会復帰したいのか?

を明確にしてみてください。

そうしないと僕のように症例発表のたびに

「評価ができていない」

と言われ続けることになりますよ〜。発達,on elbow

「自宅のトイレで党動作が自立して行えるようになりたい」その目的が明確になったら今度はそのために必要な評価を抽出してきます。
評価の抽出法をDVDで学ぶ>>>臨床の教科書〜評価の抽出法〜
評価の抽出法とスクリーニングを実践で学ぶ>>>評価の抽出とスクリーニング検査法

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