【腰部脊柱疾患 シリーズ】腰椎椎間板ヘルニアのリハビリって? ~治療編~

皆さん、こんにちは
療活の林です。

前回は腰椎椎間板ヘルニアの評価についてお話しました。
まだ見ていない方はこちら>>>「腰椎椎間板ヘルニアのリハビリって? ~評価編~」
病態の確認をしてないという方はこちら>>>「腰椎椎間板ヘルニアのリハビリって? ~病態編~」

前回のFFDの評価により機能低下部位は分かった。
でも、

「脊柱、股関節の機能低下が疑われるけど」

「実際はどんな治療をすればいいのか」

「治療ってどんな流れでやればいいのか」

「どうやって関節の可動域を改善させればいいのか」

「治療しても変化がなかったらどうしようか」

て思いませんか。
私も過去に同じような経験をしました。

今回は腰椎椎間板ヘルニアの治療を治療の流れや解釈を交えて解説していきたいと思います。

まず「動きやすい身体」を作る

脊柱または股関節の機能低下を検討つけたら、色んなアプローチが想像できると思います。
マイオセラピー、PNF、筋力訓練、ストレッチ、ROMexなどなど。
ですが、まずは関節可動域を改善する関節モビライゼーションを行うと効率がいいです。

理由は、

皆さん、自転車のさびついた状態をイメージしてみてください。
ギヤが錆び付いていたら通常以上に力を入れてペダルを漕がないと自転車が進みにくいと思いませんか?

実は身体もこれと同じ。
まず関節可動域に問題があったらどんなに筋力をつけても身体は動きません。
なのでまず関節可動域制限をみつけたら関節モビライゼーションを実施する事をおススメします。

ちなみに・・・

えっ!ROMexとモビライゼーションって違うのかと思ったそこのあなた!
触診が苦手な方限定】ROMexを効率的に行うための触診・アプローチ法セミナー
というのもありますので、よければ一度覗いてみてくださいませ。

どの可動域制限に対してアプローチすればいいのか?

FFDでみたけど正直よくわからない、腰椎は5個あるじゃないか。
また、股関節はたくさん動くしどんな事を意識したらいいのか分かりにくい。

と思いませんか?

治療する時のポイントは、

  1. 解剖の知識
  2. 動き出しやすい姿勢
  3. 効率的な動作

で考えていくとアプローチする部位がさらに明確になります。

1.解剖の知識

腰椎の椎間関節の特徴は、
上位(L1-2間)では関節の角度が鋭角、下位(L3-5間)では関節の角度が鈍角
となっています。

この事から下位腰椎は元々可動性が乏しいため、
治療対象になりやすい部位として考えられます。

股関節の特徴は、
臼蓋が前方へ向き、大腿骨頭が前へ捻じれているこれを前捻角と言います。
つまり股関節は前に捻じれているイメージになります。
治療は前捻角を意識して行うと効果が出やすいです。

2.動き出しやすい姿勢

腰椎椎間板ヘルニアでは前屈姿勢で痛み、痺れが生じます。
そのため、腰椎屈曲位、骨盤後傾、股関節屈曲・外転・外旋となりやすいです。
特に座位では座面に接触している股関節やその上の下位腰椎の可動域制限が生じやすいと疑う事ができます。

3.効率的な動作

腰椎椎間板ヘルニアの起立を例に挙げると、上記姿勢のまま起立することが多いです。
起立しにくい、可動性低下部位に痛みが出る・痺れが出る。
などの訴えがありましたら、下位腰椎や股関節の機能低下がさらに疑う事ができます。

上記を3つをイメージすると治療効果が今より良くなると思います。
なので、まず下位腰椎や股関節への治療を行う事で
腰椎椎間板ヘルニアの症状に対して効率的にアプレーチできます。

まとめ

1.腰椎椎間板ヘルニアで、FFDが陽性→腰椎、股関節の可動域制限を疑う

2.疑った部位に対してどんな事をイメージするのか

3.イメージを明確して治療するために→解剖、姿勢、動作を踏まえて実施する

もし改善しなかったら

えっ?

脊柱、股関節へモビライゼーションしても改善しないですって!

心配ご無用、改善しない原因は
腰椎に付着している大腰筋、多裂筋といった筋の不全や筋力低下があります。
股関節では中殿筋、大殿筋も考えられますね。
改善しない時は上記の筋へ筋膜リリースそして促通をしてみてください。

文章だけでは伝えることができません。

具体的な腰椎、股関節へのモビライゼーション、
筋の筋膜リリース方法は書面では細かい圧の強さや力の方向などお伝えすることができません。

もし患者・利用者さんを笑顔にするために何とかしたいと思っている方は
こちらを一度覗いてみてください>>>「6日で学ぶ評価・アプローチの為の触診BASICコース

股関節への理解を深めたいと思う方はこちらがおすすめです
>>>「触診から紐解く大腿骨頸部骨折に対する評価とアプローチ

次回は腰部脊柱疾患の第2段
脊柱管狭窄症の病態についてです。

評価を理解し、患者・利用者さんの人生を再デザインしませんか。
療法士活性化委員会 認定インストラクター
林 凌磨

参考文献
1.中尾 浩之著:よくわかる腰痛症原因と治し方 2016年
2.永木 平載著:よくわかる腰・腰椎の動きとしくみ 2017年

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