動作分析を忘れてしまった療法士のための、もういちど学習意欲を燃やす方法[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その62~]

こんにちは!
モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

 

 

 

 

前回の内容はちとモリモリの内容でしたね。
いきなり前回の内容を実践するのはなかなか大変なので、今回は少しペースダウンします。

ところで「療法士はプライベートでも勉強して当然」なんて話をよく聞きますが、実際に臨床現場以外で勉強をしている人はどれくらいいるでしょうか? かくいう私も就職して働きだしてからは、プライベートは休むことを大事にして技術の勉強をあんまりしないこともありました。

しかし最近、ふとしたことからモチベーションを取りもどし、毎日1時間は動作分析や解剖、運動学など人体に関わる事柄や、臨床に関連する研究報告や社会情勢を勉強する生活を送っています。

今回は、最近プライベートでの勉強から遠ざかってしまったあなたのために、「勉強への熱を復活させるコツ」、そして「少しずつでも勉強を継続させる方法」をお伝えします!

 

寝返り動作中の動作分析 – 総論 –
▼目次

1. 自分にできることを整理する
2. 仕事の合間に「触診休憩」
3. わからなかったことを、まず週に1つ見つける
4. 終わりに
5. 講習会情報

カルテを更新する

勉強への熱を復活させるコツはひとつ。勉強しないとやべぇという感情を自分のなかで起こすことです。
じゃあどうすれば「やべぇ」と感じることができるのか?

そのためにぜひやってもらいたいのが、「カルテの更新」です。

患者さんの様子や動きを見て何か感じたこと、評価したことが毎回のリハビリでありますよね?
でも電子カルテであれば、コピー&ペーストで書き込んだり
手書きカルテであれば、『継続』『同上』のように省略したりしませんか?

ただ何かの理由で文字に書き起こせないだけで、
頭の中には患者さんのカルテが更新され続けてるはずです。

・カルテに書き起こせない
・イメージはあるけど、こんなこと書いちゃヤバイ人って思われる
・考察できてない、考察がまとまってないことは、書いちゃダメって思ってる

こんな風に思って、書けないことってありません?びっくりするほど書けることが少ない!と感じることもあるかもしれません。

入社して最初の半年ほどは、新しいことをどんどん覚える時期ですが、その後は書類業務などルーティンワークが増えていきます。さらに、社内研修しか受けていないと、リハビリで提供できる内容が研修で習ったことが中心になり、ゼロから動作分析を考える経験はどうしても少なくなりがち。一人職場だと、ベースすらなく呆然とすることもありますよね。

でもプライベートでも勉強してる療法士は、文献や書籍を読んでどんどん動作分析できるようになるし、いつの間にか自分の考え方をまとめられるようになってて、動作分析から生活へ動作を応用するための方法を勝手に実践しちゃうんですよね。(それゆえに、『コイツ、何書いてんのか全然わかんねぇ。。。』略語だらけのカルテを書いてることもありますが。。。)
そりゃ実力の差につながって当然です。

さあ、カルテの更新はできましたか? 「あれーっ……ぜんぜん書き出せない!!」と危機感を覚えたら、それを勉強への熱に変えましょう!

 

仕事の合間に「触診休憩」

今あなたは「勉強しなきゃヤバそうだ」という危機感を手に入れました。でも同時に「いったいいつ勉強すればいいんだ……」と感じているかもしれません。

毎日の仕事でただでさえヘトヘトなのに、帰宅して家事や育児までしてたらとても無理。通勤時間を利用しようにも満員電車の中ではスマホも開けない。

そんなときは思いきって、仕事中に「触診休憩」を取ってみましょう。
(。。。引かないでくださいね?)

例えば、前回まで脊柱と肋骨のことについてお伝えしてきました。
『寝返り動作』を分析したことのなかった僕が、患者さんと寝返りできるようになるために悩み続けたこと
寝返りに必要な脊柱の動きって??

脊柱には「椎間関節」という関節があって。。。

右回旋をするときを例にすると、
椎体関節は右側が下に滑り、
左側が上に滑るように動き。。。

で、脊柱って頸椎から腰椎・仙骨までズラ〜っと並んでいるので
どこかだけを分解して動かすってことは非常に難しくて、
どこかが動けば、他も連動して動く構造になっていて。。。

普段の生活では、この脊柱全体が連動する動きを無意識に活用しているため
ここの動きが硬くなると、寝返り動作をこんな風に代償してきたり。。。

と、何かと寝返り動作では大事になってくる「椎間関節」ですが、
そもそも脊柱、椎骨を、棘突起を触診したこと、ありますか??

まず、触ってみることから始めてみましょう!
ちょっと休憩。。。の時に、スマホで脊柱全体の写真を眺めてみたり
解剖の本をちょこっと眺めてみたり、youtubeでいろんな人が出してる動画を見るのもいいでしょう。

ガッツリ勉強!!と堅苦しく考えず、ちょこっと数分だけの休憩時間を「触診に関係することをしながら休憩する」時間に変えるだけでも、随分と臨床が変わってきますよ。

もし「仕事中に勉強なんかするな!」と叱られることがあれば……その職場からは離れたほうがいいでしょうね。

わからなかったことを、まず週に1つ見つける

人間は基本的に怠け者。「よーし勉強するぞ!」と意気込んでも、目標がなければすぐにスマホでネットサーフィンを始めたり、社内の愚痴こぼし大会など、楽なほうへと流れてしまうものです。

そんな怠けゴコロを奮い立たせて勉強を続けるには、一つでいいので目標を立てましょう。

おすすめは「週に1つだけ、動作を解釈できなかったことを見つける」。
具体的には、カルテが更新できなかった理由を考えるだけでOKです。それもなるべく「このひとのカルテ、ずっとおんなじ。。。」と感じる患者さんのカルテがいいです。
(願わくば、ずっと全く同じカルテではないことを祈ります。)

カルテに書けることが少ないな。。。っと感じたら、「なんで書けないんだろう?」とちょこっと考えてみましょう。
自分を責めるためではありません。
少し立ち止まって考えて、自分が患者さんのためにできることは何だろうって考え直すためです。

書けてないことは、まだ知らないことかもしれないし、整理できてないことかもしれないし、こんなことは書いちゃダメだと思って封印しているだけかもしれません。

あんまりアレもコレもできてない。。。!!と思い詰めるとパンクしちゃうので、1つの動作に絞って考えてみるようにしてみましょう。

勉強が好きで好きでたまらなくて、休みの日でも論文読んじゃう! というウチの林みたいな人以外は、まずは1つの動作に絞って考えてみることから始めるのがオススメです。
(療活 認定インストラクターの林)
(この人の勉強量、ハンパじゃありません。今度会ったら聞いてみてください。)

 

終わりに

いまプライベートで勉強できていないとはいえ、患者さんのために療法士として働いているのならば、あなたにも動作分析の勉強に熱中できる素養が必ずあります。
なぜなら動作分析は、患者さんの生活を考える上で必ず必要ですし、また療法士の仕事が深く、楽しいと思えるきっかけの1つだからです。

勉強しないとヤバイという「危機感」と、達成感を味わえる「目標設定」を組み合わせ、さらに仕事中のすきま時間まで活用すれば、次第に勉強の習慣ができてきます。

そうすれば、特に何も考えなくとも勝手に勉強できるようになるはずです。最初は苦しいかもしれませんが、まずは1週間だけでも続けてみてください!

動作分析が苦手…と思う方の苦手意識が
少しでも「楽しい!」に近づきますように。

ありがとうございました。

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療法士活性化委員会

認定講師 吉田 頌平

 

 

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