股関節を円滑に動かせるようになる上手な中殿筋の促通法[療法士に必要なセルフエクササイズの考え方~その84~]

こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。

 

股関節の動きをコントロールし、安定して移乗・歩行を行ううえで、梨状筋と中臀筋の機能は重要ですよね。みなさんはどんな介入をしていますか? 今回は、梨状筋と中臀筋を促通し、股関節を円滑に動かせるようになるポイントをお伝えします。

 

梨状筋・中臀筋のポイント

まず、梨状筋と中臀筋の関係について整理していきましょう。

 

1. 梨状筋と中臀筋のあいだをつなぐもの

 

図に示す赤い部分が梨状筋、青い部分が大臀筋です。

梨状筋は大臀筋よりも深層にあり、より大腿骨に近いところで股関節 外旋の動きをコントロールしています。

そして、この梨状筋の上方に中臀筋(図中・緑色)があります。

そして、梨状筋と中臀筋が隣り合った隙間から、上殿神経という中臀筋をコントロールする神経が出てきています。

梨状筋をリリースするとき、この上殿神経の存在を必ず意識したほうがいいです。

2. リリースのときに意識すること

上殿神経を圧迫しつづけていると、痺れや脱力感、中臀筋の筋出力低下を招きます。

そうすると、中臀筋を代償するように骨盤を大きく左右に揺らしながら歩くようになります。
いわゆるトレンデレンブルク歩行、というやつですね。

梨状筋の短縮によって上殿神経が圧迫されることもあるため、梨状筋が動きやすくなることは上殿神経の圧迫を軽減し、中臀筋を促通することにつながります。

ですが、リリース時に梨状筋とともに上殿神経を圧迫していると、逆効果となる可能性もあります。

ですので、中臀筋や梨状筋を促通し股関節を円滑に動かせるようになるには、解剖のイメージをしっかり持ち、肩の力を抜いて「触診の基本を思い出して、触診してみよう〜」っと意識してみることが、とても重要になります

触診の基本については、Basicコースでお伝えしています。

 

まとめ

いかがでしたか。
股関節の筋肉、特に梨状筋・中臀筋は歩行や立位での安定した動きに大きく関わります。そのため、促通を促したくなるところですが、リリースを意識しすぎるとかえって神経を痛め、筋力低下を引き起こすことがあります。

触診のコツと解剖の詳しいイメージを持ちながら、筋を触診するようにしてみてくださいね!

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療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平

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