こんにちは、療法士活性化委員会委員長理学療法士の大塚です!
立位や歩行時の問題点で挙げられる「腸腰筋の機能不全」ってありますよね。僕も評価実習の時から問題点に挙げていて、よくアプローチで腸腰筋の筋力強化をしていました。方法は単純に坐位でももあげの運動。
ただそれも代償動作などを意識しないでやっていたので正直あんまり効果は感じられませんでした。
そこで今回は腰椎・骨盤・股関節にポイントを絞って腸腰筋の筋力低下の原因考えてみたいと思います!
腸腰筋の起始・停止・作用は?
大腰筋
起始:T12-L4の椎体側面とそれらの間の椎間円板の側面、L1-L5椎骨の肋骨突起
停止:大腿骨小転子
作用:股関節の屈曲・外旋、腰椎の前弯
腸骨筋
起始:腸骨窩
停止:大腿骨小転子
作用:股関節の屈曲・外旋、骨盤の前傾
腸腰筋の栄養血管と支配神経は?
大腰筋
栄養血管:腸腰動脈の腰枝。
支配神経:腰神経叢(L1-L3)
腸骨筋
栄養血管:内側大腿回旋動脈、腸腰動脈の腸骨枝
支配神経:大腿神経(L2-L4)
腸腰筋の触診はこちら>>>6日で学ぶ評価・アプローチのための触診セミナーBASICコース 〜開催報告〜
腸腰筋の筋力の測定方法(MMT)は?
坐位、骨盤前傾を保ったまま股関節を屈曲し、保持できたらMMT3。
代償として骨盤後傾、股関節外旋外転などが挙げられます。
立位で腸腰筋の働きは?
立位では特に片脚立位を取った際に股関節の前方安定性に寄与します。腸腰筋の機能不全があると片脚立位の時の支持側の骨盤が後傾したり、大腿骨頭の前方偏移がみられます。
詳しい評価はこちらでお伝えしています>>>Assessmentコース
腸腰筋はなぜ筋力低下してしまうの?
ポイントとなるのが骨盤の後傾です。
先ほどの筋力測定で腸腰筋の筋力を測定するには骨盤を前傾位にする必要がありました。要は骨盤が後傾位だと腸腰筋が働きづらい状況になります。
立位や歩行時に骨盤が後傾位の状態ですと日常的に腸腰筋が働きづらい環境になり、筋力低下につながっていきます。この場合いくらリハビリ時に腸腰筋の筋力強化をしたところでなかなか筋力は改善してきません。骨盤後傾位の代表的な姿勢は円背があります。
腸腰筋の筋力をつける前に必要なのは骨盤の前傾
腸腰筋の筋力強化の前にまず骨盤の前後傾の可動域を測定してみましょう。
骨盤の動きに制限がある場合の要因としては
- 股関節の関節包内運動の問題
- 腰椎の可動性の低下
- 仙腸関節周囲の可動性の低下
が考えられます。
それぞれend feelを合わせて評価してみましょう。
腸腰筋の機能不全が改善すると変化が見られるADLは?
腸腰筋はざっくり言うと「骨盤を前傾させて体幹を安定させる筋」です。ADLで体幹を安定させる場面となるとまず「歩く」必要がある時は全て関係してきます。他には
- 入浴のまたぎ動作
- トイレでの方向転換
- 階段昇降
- ズボン・靴下を履く
など変化がある可能性があります。
腸腰筋についてまとめ
- 腸腰筋の筋力低下の原因として考えられるのは骨盤の後傾
- 腸腰筋が力を発揮するには股骨盤の前傾が必要
- 腸腰筋は「骨盤を前傾させて体幹を安定させる筋」なので様々なADL
に影響する
僕が股関節の伸展の可動域を変化させるためによく利用しているのがROMexを効率的に行うための触診セミナーで紹介しているPIR(等尺性収縮後弛緩)を用いた可動域訓練です。
具体的には
- 股関節屈曲最終域で伸展方向に7秒間収縮
- 収縮後に股関節屈曲方向にストレッチ
- 変化した可動範囲を自動運動
これを3回繰り返す
です。みなさんも試してみてください^^
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