こんにちは! モーションアナライシスコース講師の吉田頌平です。
さて、今回は「更衣中の肩の動き」をテーマに
直近3回にわたってお伝えした要点を整理したあと
どう評価するのか、総合的にお伝えします!
更衣中の肩の動きにかかわる要素を整理
まずは、直近3回のコラムの要点を
ざっと確認していきます!
更衣中の工程分析の結果から、肩の動きだけを抽出してみると…
右肩(患側と仮定):屈曲、外転、外旋、伸展
左肩(健側と仮定):屈曲、外転、外旋、伸展、水平内転
が、更衣に必要とわかりました。
次に、上記の肩の動きを阻害する代表例として
「肩峰下インピンジメント」がありました。
そして「肩峰下インピンジメント」は、
・大胸筋や僧帽筋(上部繊維)が過活動となっていると引き起こされやすい
そして
・大胸筋、僧帽筋(上部繊維)の過活動は、座位を自力で保持できていないと起こりやすい
まとめると
・必要な肩の動きを抽出しましょう!
・肩甲上腕リズムを評価しましょう!
・座位も評価しましょう!
というのが、直近3回のコラムの要点でした。
(詳しい内容は、下記をご参照ください)
座位が肩にどう影響するのか?
さて、さきほども登場した座位と
肩の動きをもう少し考えていきたいと思います。
コップやリモコンが置いてあると想像してみてください。
どの姿勢だと、もっとも楽に手を伸ばして
コップやリモコンを持てそうでしょうか?
おそらく、真ん中の座位ではないでしょうか。
更衣のときも、おそらく真ん中の座位のほうが
背中に服を回しやすいのではないかと思います。
なぜ、座位が安定していると肩を動かしやすくなるんでしょうか?
ポイントは、『胸郭』にあります。
胸郭と肩の関係
座位を自力で安定できないと、胸郭の動きは小さくなります。
胸郭には、
・肩甲骨の土台である肋骨
・肋骨がつながる胸骨
・胸骨、肩甲骨の烏口突起、肩峰とつながる鎖骨
・肩甲上腕リズムの第3相で重要な胸椎
がふくまれます。
大胸筋と僧帽筋(上部繊維)はそれぞれ
鎖骨や胸骨、胸椎に付着しています。
大胸筋と僧帽筋(上部繊維)の過剰な活動がつづくと
特に鎖骨の動きが固定化されます。
その結果、肩甲骨と上腕骨がリズムよく動かしにくくなり
非効率的な肩の動かし方や、更衣のしにくさにつながります。
なので、座位の安定性を見る際には
アライメントだけではなく、胸郭のうごきも見てみましょう!
まとめ
ただ、なんらかの理由で
背中を丸めて座ることしかできない方もいらっしゃいますよね。
その場合、まず寝返りを評価することをオススメします。
寝返り時に胸郭が動きづらいと、
上体を回旋して側臥位へ移行する動きを阻害することとなります。
つまり、寝返りが打ちづらくなります。
また、寝返りは生活の中で肩に荷重するもっとも簡便な方法です。
たとえROMはしっかり出ていても寝返りができていないと、
座位など抗重力位で肩を動かしくい可能性は高いと考えられます。
そして、座位を保つうえで重要な股関節や骨盤帯の動きは
寝返りの中でもひんぱんに起こっています。
なので、寝返りを評価できるようになると
更衣を総合的に評価しやすくなりますよ。
更衣に悩まれている方がいらっしゃいましたら、
ぜひ寝返りもみてみてくださいね!
自分で着替えられなくて、困ってる方に
少しでも貢献したいと考えているあなたのお力になれたら幸いです。
- 日常生活動作から動作分析を行えるようになりたい…
- 寝返りをもっと見れるようになりたい…
- ADLにつながる介入プランを作れるようになりたい…
そんなお悩みを解決する講座です。
【 特 徴 】
Basic・Assessmentコースで学んだ内容をもとに
寝返りの動作分析を、参加者同士で実践しながら学べます。
【 内 容 】
安定した体重移動の要となる、体幹の機能と特徴
座位・立位で肩を屈曲するために必要な、腹部~肋骨・胸骨~肩甲骨の動きのつながり方
安定して動けるために欠かせない、股関節と骨盤帯のつながり
- 各部位で重要となる部位へのアプローチ方法
・体幹→脊柱、腹筋へのアプローチ
・肩→肋骨周囲へのアプローチ
・股関節→股関節前面へのアプローチ
わからない部分は、いつでも質問できるところも このコースの特徴です( ^ω^ )
Basic・Assessmentの内容を、実戦形式で復習することにもなりますので
実技の面でもレベルアップします。
次の一歩へ進むために、まずは自分の動きを噛み砕いて分析してみませんか?
療法士活性化委員会 認定講師 吉田 頌平
【療活講習会一覧】
”信頼される療法士になるための土台を作る”>>>療活してる?
このブログの感想をレターでいただけますか? 応援・批判どちらも受け付けています。>>>吉田頌平のレターポット
この記事が「おもしろい!」「為になった!」と思ってくださった方は、ぜひ「シェア」や「いいね!」をお願いします!!
今すぐ「いいね!」ボタンを押して「療法士のためのお役立ち情報」をチェック! ↓ ↓ ↓ ↓