こんにちは、いろいろあってスッキリしている療法士活性化委員会委員長の大塚です。
体幹の安定性、脊柱の分節性、コアユニットとかリハビリの場面で必ず体幹って出てきますよね。もちろん「体幹大事」ってのはわかるんですがいまいちなんで大事なのか?って曖昧じゃないですか?
しかも体幹にアプローチっていっても何していいかわからない。とりあえず腹筋とかぐらいしか新人のときの大塚は思いつきませんでした。そこで今回はまず脊柱について勉強してみました。
そもそも体幹って?
たい‐かん【体幹】
動物体の主要部分。胴。
広辞苑脊椎動物の体のうち,体肢を除いた部分。躯幹ともいう。体幹はさらに頭部,頸部,胸部,腹部,骨盤部,尾部に区分される。体肢は体幹から出る手足で,前肢 (上肢) ,後肢 (下肢) に分ける。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
広辞苑のシンプルなこと。要は肩甲帯(鎖骨含むのかな?)より遠位の上肢、股関節より遠位の下肢を覗いた部分ってことですね。
その中で構成する要素は
骨(頭蓋骨、脊柱、骨盤)、筋肉(頸部、胸部、腰部とたくさんあるので後で書きます。)、内臓、中枢神経が含まれます。その中でも柱となっているのが脊柱です。
脊柱の役割
脊柱には脊髄の保護に加え、支持性と可動性の2つの相反する機能を担当する役割があります。
矢状面からみると生理的な弯曲があり、長軸方向に加わる圧力を軽減してくれています。
脊柱は椎体の前面に前縦靭帯、後面に後縦靭帯、棘突起の椎体側を黄色靭帯、棘突起間を棘間靭帯、棘突起上を棘上靭帯で安定化しています。複数の靭帯で安定化することである程度の固定性と運動性を担保しています。
付着する筋
前方:胸郭とコアユニット、腹斜筋、腹直筋、
後方:浅部(棘筋、最長筋、腸肋筋)
中間部(頭半棘筋、頸半棘筋)
深部(多裂筋)
体表部:僧帽筋、菱形筋、広背筋など
があります。
脊柱はそれぞれ頸椎、胸椎、腰椎、仙椎、尾椎に区別されます。今回は特に頸椎から腰椎までをみてみましょう。
頸椎(C1〜C7)の特徴
特徴的なのは環椎(C1)と軸椎(C2)です。この2つで回旋の動きの約50%を担っています。
C3からC7頸椎はほぼ同じような形をしていますがC7の棘突起はとくに大きく隆椎とも呼ばれ、ランドマークとして用いられます。
またC1〜C6の横突起には横突孔があり椎骨動脈が通っています。
胸椎(Th1〜TH12)
胸椎の主な特徴は肋骨と関節面を持ち、胸椎と肋骨、胸骨で胸郭を形成しています。椎間関節の関節面の形状をみると屈曲伸展よりも回旋方法の可動性が大きくなります。ただし1本の肋骨が下位の上関節突起、上位の下関節突起に付着するため、そもそもあまり大きな可動域は出せないと考えられます。さらに回線するさもカップリングモーションで左右の椎間関節が捻れるような動きが必要になってきます。
理由は胸椎の大きな可動性を持ってしまうと胸郭の中にある肺が損傷し、呼吸ができなくなるからと考えられます。
腰椎(L1〜L5)
腰椎の特徴は棘突起が後方に大きく、椎間関節がほぼ垂直に位置しています。そのため回旋、側屈の動きはほとんどなく、屈曲・伸展の可動性が大きくなります。
腰椎の安定性と可動性を前後で保持しているのが大腰筋と多裂筋です。
脊柱と小脳の関係性
小脳の虫部は主に脊髄からの入力を受け、小脳内側核は主に体幹部の運動を担当します。小脳中部は脊髄系の出力により、体の平衡、姿勢の維持に関わり、姿勢反射などの運動を調節しています。
つまりなんらかの影響で脊柱の動きが悪くなると、脊髄からの感覚入力が低下すると姿勢の維持が困難になりさらに脊柱からの感覚入力が低下し姿勢がさらに悪くなると言う悪循環になります。
また小脳への感覚入力の低下により小脳機能が低下し、運動学習にも影響が出てきます。
脊柱の動きを改善するには?
脊柱には脊髄の保護に加え、支持性と可動性の役割がありました。まず必要なのは大きな可動性ではなく、椎体同士の伸長(エロンゲーション)がまず必要になります。
方法
背臥位
頭側から後頭骨を把持し頭部を頭側方向に牽引します。この時の強さはストレッチにならないよう、関節包、靭帯性のend feelまでにしてください。
もう一方は尾側に位置し、両側の足関節を把持し尾側に牽引します。この時も関節包、靭帯性のend feelまでの牽引を行います。
これを6秒間牽引×5回繰り返し関節からの感覚入力を行います。
この脊柱のエロンゲーションを行うことでその後のROMex、動作訓練などがより効率的になります。
まとめ
脊柱は
- 頸椎で回旋、胸椎はほぼ固定、腰椎で屈曲・伸展をしている
- 脊柱が動かなくなることで姿勢に影響が出る
- まず椎体同士の伸長感の感覚入力が必要
がポイントなります。
機能解剖やその特徴を知ることでより効率的なアプローチが行えます。一緒に体幹のアプローチを学んでみませんか?
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療活では患者さん、利用者さんの目的を達成のサポートができる療法士が増えることで療法士自身も、患者さん利用者さんも笑顔になることを目的に活動しています。
脊柱の機能シリーズ
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参考資料
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