こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
僕は評価実習で初めて担当した患者さんが大腿骨頚部骨折術後の方でした。当時は術式なんかほとんど考えないで診ていたのでとてつもなく内容が薄く、作成したレポートが表紙含めて5枚という臨床実習史上おそらく最低枚数を更新したんじゃないか?と思っています。僕は5週間一体何をしていたんでしょうか笑
そこで今回は大腿骨頚部骨折のリハビリのポイントとしてお伝えしてみたいと思います。
大腿骨近位部の骨折の分類
大腿骨近位部の骨折は
- 転子部骨折
- 頚部骨折
- 骨頭部骨折
に分類されます。
その分類方法として
- AO分類(転子部、頚部、骨頭部全てに対応)
- エバンスの分類(転子部骨折)
- ガーデンの分類(頚部骨折)
があります。
ガーデンの分類
ガーデンの分類は骨折の程度をⅠ〜Ⅳで分類されます。
Ⅰ、Ⅱ:転位なし
Ⅲ、Ⅳ:転位あり
大まかに
- Ⅰ、Ⅱ:ハンソンピンなどの髄内固定術
- Ⅲ、Ⅳ:人工関節置換術
の適応となります。
人工関節置換術にするかどうかは血行が保たれているかどうか?で判断するとされています。
またリスク管理ができるかどうかも一つの基準となります。ここは医師が判断する部分です、これ以外にも対象者の状態に合わせて術式を決定しています。詳しくは手術を担当した医師に確認してみましょう。
術式について
術式は
- 前方侵入:伸展・外旋
- 側方侵入:内転・外旋
- 後方侵入:屈曲・内転
それぞれ侵入した部分の軟部組織、筋肉、関節包を損傷しています。損傷している部分が痛み、可動域制限がみられることもあり、脱臼肢位となります。
術後の歩行能力決定因子
- 年齢
- 術前の歩行能力
- 認知症の有無
と言われています。ざっくりいうと、若くて、もともと歩行能力が高く、認知に問題ない方の方が術後の歩行能力が高くなりやすいということです。なので術前のADLの評価や、廃用予防のために早期からのリハビリが重要となります。
リハビリの阻害因子
痛み
術部の組織損傷、受傷時の組織の損傷など、基本的に術後1〜2週で消失すると言われています。特に訴えの多い部位は内転筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋、腸脛靭帯が多いとされています。
術部であれば侵害受容性の疼痛、術部以外であれば代償動作による過剰な筋の収縮によるものと考えられます。
ROM制限
術創部の組織の伸長性の低下、痛みによる制限、術前からある可動域制限などが考えられます。またTHAにより脚長が術前より長くなった場合は関節包が伸長され、関節包内の可動性が低下する場合があります。
既往歴・合併症
既往に内科疾患があれば創傷治癒に遅延が生じる可能性もあります。また脳卒中などがあれば身体機能的にリハビリの進行が阻害される要因になります。
認知症の有無
認知症はリスク管理に重要になります。脱臼肢位やに日常生活の形態の変化に適応するのにも時間を有します。
受傷起点について
さらっと聞き流してしまうこともあると思うのですが、受傷起点は必ず聴取しましょう。
- いつ
- どこで
- 何をしていたときに
- なぜ
- どうやって
受傷したかを確認します。
例えば
洗濯物を持って歩いているときにカーペットの端につまずいて転倒し受傷した
とした場合、再転倒の予防として身体機能以外に
- カーペットを片付ける
- 同様の段差、布団や座布団などにも注意する
- 洗濯物を持ち運ぶ際の注意点(少量ずつ、洗濯亜ドロップボックス後に入れて足元が見えるようにする)
などの環境設定も考えられます。
受傷起点をわかる範囲で詳細に聴取してみてください。
まとめ
大腿骨頚部骨折のリハビリのポイントは
- 手術のリスクを理解している
- 術前の身体機能
- 患部以外の代償
一つ一つ問題を整理しながらリハビリを進めていきましょう!
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