毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!
第55回理学療法士国家試験 午前 第7,8問 解説!
問題 次の文を読み7、8の問いに答えよ
75歳の男性。身長170 CM 体重48 kg BMI 16.6。約10年前から呼吸困難が出現し自宅近くの病院で狩りをしていた。徐々に呼吸困難感が強くしてきており、 50 M 程度の連続歩行で呼吸困難感のため休息が必要である。 動脈血ガス分析PaO265Torr、Pa CO248Torr、肺機能検査%VC81%、FEV1%31パーセントであった。 患者の胸部 X 線写真を別に示す。
問7 予測されるフローボリューム曲線として最も適切なのはどれか。
問8 この患者の運動療法を中止すべき状態として最も適切なのはどれか。
- SpO2 82%
- 呼吸数 22/分
- 心拍数 105/分
- 修正Borg指数 5
- 収縮期血圧が安静時より20mmHg上昇
解答
問7:5
問8:1
解説
まず問題文の方の状態を把握してみましょう。
こちらの図で解説すると。
閉塞性肺疾患:空気の通り道の気管支や肺胞に障害が起きる→空気が通りにくくなる→1秒率が低下する
通常のフローボリュームは放物線となるが閉塞性肺疾患の場合は急激に吐くスピードが落ちるため、ピークの後下に凸となる。
なので問7の回答は5となります。
問8は運動療法の中止基準と照らし合わせてみると
- SpO2 82% → 90%以下で中止
- 呼吸数 22/分 → 30回以上で中止
- 心拍数 105/分 → (220-年齢)×0.85以上で中止
- 修正Borg指数 5 → 7〜9で中止
- 収縮期血圧が安静時より20mmHg上昇 → 40mmhg以上で中止
なので答えは1となります。
これを臨床で活かすには?
呼吸では主に酸素をとりいれて、二酸化炭素を排出します。肺疾患の方に限らず呼吸状態を観察することはリハビリを安全に遂行するために必須です。
例えばどんなに持久力向上の運動を行っていても換気に問題があれば効率的ではないですし、そもそも酸素を取り入れることができなければエネルギーを作り出すことができません。
また運動の中止基準はリスク管理の上でも大事ですが必ずしも基準の値で注視するわけではありません。対象者の状態を主治医に確認し決定してください。
今回の協力者
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