こんにちは、療法士活性化委員会の大塚です。
先週までパーキンソン病についてのお話をしてきました。パーキンソン病の運動症状として運動の調節難しくなり、協調性が失われる。とお伝えしました。うんどうの協調性と言えば小脳も運動の協調性と運動学習に関わってきます。今回はその小脳と大脳基底核の役割についてお伝えしていきます。
パーキンソン病についてはこちら>>>パーキンソン病について勉強してみた 〜症状編〜
小脳とは
小脳は大脳の下、脳幹の背側にあり、脳全体の神経細胞の約半分が存在すると言われています。
系統発生学的に
- 原小脳(片葉小節葉):体の平衡機能に関与する、前庭小脳。
- 古小脳(虫部):姿勢制御、血圧、循環調節などの自律神経に関与する、脊髄小脳。
- 新小脳(半球):随意運動、認知機能に関与する、大脳小脳
に分けられます。
小脳を機能的に分類すると以下のようになります。
それぞれ別の前庭、脊髄、大脳皮質に別々の入力系統と出力系統を持っています。これを統合的に使用して運動を調節しています。
要は
- 体の平衡をとるための眼球と頭部の運動の役割
- 姿勢を維持するための筋緊張を調節する役割
- 運動時に適切な四肢の動きとそれにともなう姿勢調節の役割
があります。
一言でまとめるとその場で安定するためのブレーキの役割をしています。
なので小脳が障害されると
- 平衡機能障害:体幹失調、眼振
- 筋緊張障害:筋緊張低下、筋力低下
- 運動障害:協調運動、企図振戦、推尺異常など
が見られます。
小脳の運動学習
小脳の運動学習は「誤差学習」です。
ある目的のために実行された運動の軌道や結果に対する情報を感覚情報として中枢神経にフィードバックされます、その情報が意図していた感覚情報と異なる場合、目的とする運動を実現するために誤差を修正(長期抑制)して運動指令を書き換えます。
なので小脳の運動学習では目的とする運動が必要になります。
その運動を視覚的、体性感覚的にフィードバックする必要があります。
学習されたものは一時的に小脳皮質で保存され、繰り返すことで小脳核や前庭神経核へ情報が伝達されシステム化されて行きます。
小脳を意識した運動学習の具体的な方法
- 運動を理解する
実際の動作を見せる、ハンドリングで誘導する。その時の関節の動きや体の伸長具合を見て意識してもらいます。 - 実際にやってみる
意識した運動を実際にやってもらいます。その運動を動画や写真などで撮影し、後で見れるようにしておきましょう。 - 誤差を認知する
目標とする動作とその動作を見て自分がイメージして行った動作を比較し、誤差を修正します。 - 再度動作を行う
この繰り返しをしていきましょう。
繰り返しながら視覚的に誤差を修正していた段階から徐々に体性感覚に切り替えていきましょう。
また、小脳の運動調節はブレーキの調節とお伝えしました。
なので目的する動作の中で調節が効きにくい部分を切り取り、その姿勢で保持してもらい、外乱刺激を入れることで誤差修正を行うこと有効です。
もちろんこれだけでなく、結果と報酬を合わせた大脳基底核の「強化学習」、自身で能動的に動く大脳皮質の「教師なし学習」も必要な運動学習となります。この3つを統合して運動学習を行ってきましょう。次回は大脳基底核についてお伝えしていきます。
まとめ
運動学習について勉強してみた 〜小脳編〜
- 小脳は前庭、脊髄、大脳皮質に別々の入出力を持っており、それぞれを統合して運動を制御している
- 小脳の制御は主に「ブレーキ」
- が小脳の運動学習は目的とする動作を示した教師あり学習
より詳しい解説はリハコヤでしていきます!臨床で悩む療法士のためのオンラインコミュティ>>>リハコヤ
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