第56回理学療法士国家試験 午前 第8問

第56回理学療法士国家試験 午前 第8問

毎週木曜日は国家試験の問題と解説をしてきます!!
*あくまで療法士活性化委員会としての解説なので確実な正答を保証するものではありません。必ず自分で調べましょう!

問 

6歳の男児。潜在性二分脊椎。足部の変形を図に示す。

MMT を行ったところ、大‑四頭筋の筋力は5、内側ハムストリングスは3、前脛骨筋は3、後脛骨筋は2であった。 Sharrard の分類による障害レベルはどれか。最も考えられるのはどれか。

  1. I群
  2. II群
  3. III群
  4. IV群
  5. V群

 

解答

3

 

解説

二分脊椎症とは?

脊柱の閉鎖に欠陥が生じた状態のことです。下位胸椎,腰椎部,または仙椎部で最も多くみられ、重症度は様々です。多くの患児にキアリII型奇形( 水頭症)がみられるため、水頭症の頻度が高いと言われています。

 

症状

  • 神経:脊髄、神経根が侵されている場合は、病変より下位の運動麻痺と感覚障害
  • 筋・骨格:神経障害に伴う整形外科的な問題(内反尖足、関節拘縮など)
  • 泌尿器系:麻痺の程度により膀胱機能の障害、神経因性膀胱など

 

予後

障害された脊髄の高位によって差がみられ、高位脊髄の障害では比較的不良と言われているが、適切な治療により良好に経過する。

各筋の神経支配とSharrard分類

問題文では内反尖足の状態になっており、髄節レベルL3/4の麻痺が見られるため、解答は3になります。

 

これを臨床で活かすには?

二分脊椎症はSharrardの分類にあるようにある程度の機能障害のレベルは決定してしまいます。しかし西川らの報告にあるように必ずしも分類どおりには確定せず、理学療法を施行することで分類以上の移動能力を獲得することも示唆されます。ただし、日常生活では移動の速度を優先させるために車椅子を利用するなどと言った対象者一人ひとりの環境に合わせたリハビリが必要です。もちろん車椅子を選択すれば2次的な廃用が起こります。予後予測も含めて環境や個人因子も合わせて評価しましょう。

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